2019年 07月 09日
ようこそ、ボンボニエールの世界へ
[副 題] 皇室からのかわいい贈り物
[見学日] 2019年5月4日(土祝)
[会 場] 銀座・ミキモトホール
改元に伴う連休中、銀座のミキモトで、表記企画が開催されていた。情けなくて今やわずか2カ月前のことも思い出せないが、知ったのはおそらく新聞広告だと思う。
東京国立博物館の特別展『両陛下と文化交流-日本美を伝える-』に何点か出展されていたボンボニエールがとても可愛く、また素晴らしかったので、同じく日本が世界に誇るミキモトの真珠とあわせて見ておこうと思った。
当日は三井記念美術館で円覚寺の特別展を見た後、地下鉄で程近い銀座へと向かった。
この界隈から日比谷にかけては、若い頃より様々な思い出がある。映画、食事、ネット通販が普及する以前はよくCDやビデオ(まだDVDは出ていなかった)を山野楽器で購入した。それらは全て、今は昔となった。
会場は7Fのミキモトホール、エレベーターで上がった。
「ボンボニエール」の語源はフランス語、ボンボンのような砂糖菓子を入れる容器のこと、皇室の慶事の際に催される祝宴に招待された方々に記念品として贈られるという。近年では中に、上皇陛下御退位の時にビートたけしさんが語っていたように金平糖が入れられているらしい。
本企画の監修は、ボンボニエールについて研究されている学習院大学史料館学芸員・長佐古美奈子氏、以前に浮世絵学会もしくは小林忠先生の講座で学習院大学に行った時、ちょうど史料館でボンボニエールのの企画展示が実施されていた。正直その時は、時間がなかったことや、展示作品が少なかったことなどで、さほど印象には残らなかったらしく記憶も定かではない。
しかし今回は、多く出展されていたこと、帝室技芸員など近代日本の芸術家の至芸に魅せられていることなどから、大いに感銘された。
ボンボニエールは、意匠も造形も様々、日本の錺職人の至芸の結晶、どんなに見ても見飽きない。様々なモティーフから日本の文化が堪能できる。刻まれた皇族方の「お印」にも注目させられる。
元々は銀製だったが、平成になってからは色絵のボンボニエールも制作された。
前記の繰り返しになってしまうが、本当に見事で、可愛い。私は小さな芸術品が好きなので、今後ボンボニエールには益々注目していくだろう。
展示の中には、台座が回転して全面見られたものもあった。他に、ティアラや手箱なども展示されていた。
表記展覧会を見られ、とても嬉しかった。新時代の思い出として、記憶に刻まれるだろう。至宝と宝石に囲まれて、しばし貴婦人になったように感じた。
当然ながら、本企画の出展リストはなかった。個々の作品については、多くはないが長佐古の著作のほかボンボニエールに関する書籍が出版されていて、写真も掲載されているので、そちらを参考にしていただきたい。
将来ぜひ、リストや解説シートが配布されるようなボンボニエール展が実現してほしい。
あわせて、叶わぬと分かってはいるが、自身も一つボンボニエールを手にすることを、ミキモト・パールを購入することとあわせて、一生の夢として持ち続けたい。