横浜の西洋人社会と日本人~異文化へのとまどい~ ①

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[見学日] 2017年10月10日(火)


[会 場] 横浜開港資料館



 新聞で知った表記展覧会、内容に関心をそそられ、好きな横浜開港資料館にも久々に行きたい気分になったので、多忙な時期ではあったが出向くことにした。

 せっかく横浜まで行くので他も少し廻りたいと思い、先述のとおり、外国人墓地など山手地区を散策した後、地下鉄経由で会場へと向かった。

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 まずは以前にも利用した併設するカフェで軽くお茶をする。食したのは「エンサイマダ」というスベインの甘いパン、鑑賞のエネルギー源にはバッチリだった。

 腹ごしらえをして、資料館内へと入る。幸運にも本日は無料で見学できる日だった。


 当館は1階と2階の常設スペースも大変魅力的なのだが、時間が限られているため、ざっと見て企画展示室に向かった。





 入口前の左右の壁面には、【日本人絵師が描いた西洋人-その姿】を展示、我が五雲亭貞秀の画も見られた。



1.宣教師の生活と日本人

 スタートは、宣教師の妻だったマーガレット・バラ(1840~1909)や有名なヘボンに関する資料、肖像写真の他、手紙や手記・回想録・スケッチなどが展示されていた(一部は複写)。バラの回想録『古き日本の瞥見』は本日最初に注目した。

 この時代の宣教師が現代につながる日本の教育を担ったことはもちろん知っていたが、新たに学んだこと、感じたことも多かった。

 その一つが「女性宣教師」の存在、本章に登場するメアリー・P・プラインがその人、「提供 横浜共立学園」と併記された関連資から彼女の存在と生きた時代を体感できた。彼女の孫・ブライン夫人による『グランドママの手紙』にも注目した。

 本章以降も本展覧会には、既にその名を知っている人から未知の人まで、多くの外国人の写真が展示されていたが、写された人々の中には先刻訪れた外国人墓地に眠っている人もいるのだろう。

 ヘボンとバラが最初に住んでいた成仏寺、『ジャパンパンチ』と『トバエ』、初代英国公使オールコック、等々、展示やパネルは自分にとって魅力的なものばかりだった。ヘボンは横浜居留地39番地に私塾を開き、自身は医学を、妻クララは英語を教えた。これが、友人の母校・明治学院大学と先刻見たばかりのフェリス女学院へとつながる。明治初期にこのヘボン邸に集う子どもたちと夫妻を撮影した写真も展示されていた。



★コーナー

 足を進めると、アーネスト・サトウの日本人妻・兼の実家・武田家が旧蔵する写真が展示されていた。



2.外交官の日本人像

 前章のサトウの他、ミッドフォードや、ベアトが撮影した写真などが登場する。ミッドフォードの『英国貴族の見た明治日本』など、今回の展示には、翻訳が出版されている回想録等の原本も何点か展示されていた。



3.外交官夫人と日本人

 本章の展示は、ベルギー公使ダヌタンやその夫人の著作・回想録、外交官たちの夜会を描いた『トバエ』、英国公使フレイザーの夫人の著作など、全て自分にとっては魅力あるものばかりである。ダヌタンは日本で客死し、護国寺に眠っているという。



4.駐屯軍と日本

 本章の展示の中心は、幕末に日本に駐屯した若き英国軍人スミス中尉のスケッチや母国の家族に宛てた手紙など。外国の一市民が伝える当時の日本の姿にもまた興味をそそられた。

 注目したのは【英仏駐屯軍撤退風景『ル・モンド・イリュストレ』】、1875年3月1日のことだそうだが、掲載は同年7月24日となっている。



5.ジャーナリストの日本人論・居留外国人論

 ワーグマンと『イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ』『ジャパン・パンチ』、ビゴーと『ドバエ』、ブラックと『ヤング・ジャパン』、自分にとっては涙ものの展示ばかりである。

 数年前に自分も翻訳本を読んだエリザ・シドモアの著書も展示されていた。彼女は母国で亡くなったが、遺言により外国人墓地に眠っている。



★コーナー

 本展覧会の見どころの一つが、生麦事件に関する新たな史料である。本章に展示されている【J.C.フライザー写真帳】には、事件の犠牲者リチャードソンの生前の写真が収録されている。



6.外国商人と日本人

 開国後の横浜ひいては日本に特に大きな影響を及ぼしたのは、先述した宣教師と軍人そして本章の主人公・商人であろう。本章には、フランスやドイツの商人に関する展示がされていた。後述する本展覧会の目玉【グローサー夫人貼込帳】への伏線となる。



7.日本についての4大話題

 日本を訪れた外国人は、日本独特の風習を肌で感じる一方で、わが国特有の天災人災にも直接または間接的に接することになる。

 本章には雛祭や端午の節句を伝え史料とあわせて、外国人が残した幕末の横浜大火や明治時代の濃尾地震に関する史料が展示されていた。


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by nene_rui-morana | 2017-10-28 21:55 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。


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