平尾昌晃さん ご逝去

 往年はロカビリー歌手として一世を風靡し、後には歌謡史を代表する名曲を多数作曲した平尾昌晃さんが、亡くなられました。享年79歳。


 自分が平尾氏の名を知ったのは「カナダからの手紙」がヒットした時でした。もちろん、その前から「よこはま たそがれ」「瀬戸の花嫁」などは知っていましたが、これらを作曲されたのが平尾氏だということ、かつてはロカビリー歌手だったことなどを知ったのは、それより少ししてからでした。


 ヒット曲は数知れませんが、個人的に最も心に残っているのは、10代の時に好きで見ていた藤田まこと氏主演の一連の「必殺シリーズ」の主題歌です。

中学生の時は土曜日の帰宅後に、(母がパートに出ていたので)妹と家事をしながら「土曜アンコール劇場」「ハリウッド映画大集合」とあわせて再放送を見るのが楽しみでした。高校時代は金曜日の夜に放映されていたと思います。当時の我が家にはビデオはなかったので、その時に見ないと次回のあてはない、文字通り「一期一会」の気持ちで時間をやりくりしました。

 「茜雲」「哀愁」「さざなみ」、一般の歌謡曲やアニメの主題歌に比べれば、これら必殺シリーズの主題歌は影が薄いかもしれませんが、自分にとってはかなり過酷だった若き日々の支えとなりました。当然ながらステレオもなかったので、テレビにラジカセを近づけてカセットテープに録音し、音が途中何箇所も切れるまで聞き続けました。

 ようやくプレーヤーを買ってから、まだCDの復刻もネットオークションもなかった時代、図書館で都内の中古レコードショップの案内をコピーして探し続けました。ようやく見つけた時の感激、しかし当時の自分が買うには余りにも高く、後ろ髪ひかれる思いで店をあとにしました。

 長い年月が流れ、CDを手にしたその日は、深夜まで繰り返し聴き続けました。それからしばらくして、全編が収録されたDVDも販売されました。


 父が若い頃に足を運んでいた喫茶店で、ブレイクする少し前の平尾氏が歌っておられて、テーブルで会話を交わしたこともあると話していました。出演されたテレビを見る度に「あの頃は気安く話していたけど、本当に有名になったな。」と言っていました。

 良く知られているように、結核で歌手生活の中断を余儀なくされたことが、平尾氏の人生の転機となりました。これがなければ、現代を代表する幾多の名曲は、あるいは誕生しなかったかもしれません。

 昭和の、自身の若き日の、父と過ごした日々の思い出につながる方が、また一人旅立たれ、自分の中でまた一つ幕が下りました。

 平尾氏の訃報に接した後、何度もコンビを組んだ山口洋子さんの時と同様、代表的な歌が次々と、自分の中を走馬灯のように駆け巡りました。


 つつしんで、ご冥福をお祈りします。


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by nene_rui-morana | 2017-07-26 22:46 | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。


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