THE琳派-極めつきの畠山コレクション-

[副 題] 平成27年冬季展 開館50周年記念


[見学日] 平成27年3月13日(金)


[会 場] 畠山記念館


 2015年は琳派誕生400年の記念すべき年、各地の美術館で記念展覧会が開催された。珠玉の琳派コレクションを所蔵する畠山記念館も例外ではない。

 自分が当館を初めて訪問したのは、それほど昔ではないが、受けた感銘は計り知れないものがある。当時は父も健在だった。

 運命の2011年、酒井抱一生誕150年の記念展覧会開催中に、東日本大震災が発生した。計画停電等で楽しみにしていた多くの展覧会が中止になる中、当館は予定を敢行し拝観料は寄付された。絶望と不安の中、琳派の展示にしばし心が休まった記憶がある。

 他の魅力的な展覧会を見送って当館に足を運んだ理由の一つに、震災を機に人生が激変する前の、比較的平穏だった日々を懐古したかったことがあげられる。

今回は、過去に入った店で昼食をとった後、薄れかけた記憶をたどりながら館へと向かった。

 閑静な高級住宅街にある当館、本日は茶会が開かれていた。

 会場に入ると、記憶にある作品の数々が目に入り、懐かしさで胸が一杯になる。昔、疲れて少し居眠りをした椅子もあった。

本稿は作者ごとにまとめます。



◆本阿弥光悦・俵屋宗達

両名のコラボ作品【金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻】(重文)は、穂がなびくにのに呼応するように、散らし書きの文字は細い線が所々に太くなっている。これよりやや太字なのは【金銀泥薄下絵古今集和歌巻】(重文)、いずれも下絵にあわせて筆致を変えている。おそらく筆も変えていたのではないか。

館内の図録を見て、両作品の本日出展されていない部分も見たくなった。

 


◆尾形光琳

 【躑躅図】(重文)に描かれているのは、紅白の躑躅と、たらしこみの渓流と土坡、琳派らしい作品だった。

 【白梅模様小袖貼付屏風】(重要美術品)からは、京都の老舗呉服商・雁金屋の次男という光琳の出自が感じられる。

 【八橋図・秋草図屏風】には白の燕子花も描かれていて、後ろには菊、仙翁、撫子などが見られる。

 今回、光琳は、梅と燕子花に並々ならぬ思い入れがあったことを再確認した。



◆尾形乾山

【色絵福寿文手鉢】は、 円文の内に「福」と「寿」、所々に双玉文や蝙蝠文が見られる。

 【拾得図】は珍しい乾山の書画、上方に色紙形をかたどり、自詠の和歌が書かれているが、前回見た時は気がついただろうか。



◆酒井抱一

 【賤が屋の夕顔図】は、以前見て感銘を受けた。「賤屋のゆふかほしろき蚊遣かな」の和歌が添えられている。

 【四季花木図屏風】は見ているだけで花の勉強になりそうに思える。



◆鈴木其一

【曲水宴図】は、人物に草木、東屋?、船の絶妙のハーモニーで描き分けられている。やはり大好きな歌川国貞とは全く画風が違うが、共に多彩であることは間違いない。



 ミニチュアながら以前感銘を受けた【雛屏風】とも再会を果たせた。



 訪問した回数は多くないが、忘れがたい思い出を多く有する当館、寂しさにつながるものも多いが、今回も懐かしい琳派の至宝に接することができて感動した。

 いい企画が告知されたら、足を運びたい。

 なお、本稿も例によって鑑賞まで長い時間が経過したため、細部に記憶違いもあると思いますが、ご了承ください。


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by nene_rui-morana | 2016-02-29 23:58 | 2015年 | Comments(0)