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東京大空襲から69年

 本日3月10日は、昭和20年の東京大空襲から69年目です。
 陸軍記念日だったこの日を選んで大規模な空襲が行われたこと、まずは円形に焼夷弾を落とし逃げ道をなくしてから大量投下されたことなどを、大学時代に複数の先生からお聞きしました。最近になり、この日は連休で疎開先から一時帰宅し空襲に巻き込まれた学童なども多かったことを知りました。
 強風吹きすさぶ乾燥した冬の夜、猛火は下町を焼き尽くし、一夜にして10万人の民間人の命が失われました。大震災の年の9月、台風の中を何が飛んでくるのか怯えながら徒歩で帰宅した時、比較すべくもありませんが空襲下の人々の疑似体験をする思いがしました。

 自分の両親は共に東京の下町の出身で、双方の祖父母は共に空襲で焼け出され、命以外の全てを失いました。近親には空襲の犠牲者はいませんが、戦死者と、戦後間もなく病気や栄養失調で亡くなった人はいます。
 戦火を生きのびた祖父母とその世代の人々は、戦後ゼロからスタートして焼け跡から日本を再建し、次の世代の命を育んでくれました。

 毎年この日には、東京スカイツリーの御膝元・東京都墨田区にある慰霊堂で追悼式典が行われます。昨日上野に行ったら、空襲で家族を失った海老名香葉子さんが発起人となった「時忘れじの集い」が行われていました。マスコミでは特集が組まれます。
 最近とみに、年月の重さを実感します。世の定めですが、戦争を直に体験した方々は年々減っていきます。寡黙ながらも時々は焼け出された時の話をしてくれた祖父母も、既に亡くなりました。一方で、日本史が必修科目でなくなった現在、空襲はおろかかつて日本がアメリカと戦争をしていたことさえ知らない若者も増えているといいます。
 しかし、毎年この日が来る度に、かつての悲劇を風化させてはならないと感じます。昨今では憲法改正も取り沙汰されていますが、過去の過ちを繰り返し次の世代にかつてのような悲惨な経験をさせぬよう、我々は全力を尽くさねばならないという思いを強くしています。
 
by nene_rui-morana | 2014-03-10 22:48 | 歴史 | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。

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