題目板碑と宝塔

f0148563_22394522.jpg[副 題]
中世池上の法華信仰と供養

[見学日] 
平成25年11月16日(土)

[会 場] 
池上本門寺霊宝殿


 池上本門寺霊宝殿で開催される標記特別展の情報を某所で得る。本門寺には過去に一度行ったことがあるが、最寄り駅から坂道を含めてかなり歩いた記憶があり、持病の腰痛が悪化している身には少々しんどい。しかし、貴重な板碑の展覧会なので、やはり行くことを決意、当日は残業続きで疲れ切った体にムチ打って出向いた。
 最寄り駅の西馬込から徒歩で現地へと向かう。本門寺が近づくと鳥のさえずりに心が和んだ。昼食にあわせて現地に到着したが、以前利用した「朗峰会館」内のレストランは既に営業していなかった。見学後まで昼食を延ばすのは少々辛いので、「お休み処」に入った。ここの稲荷寿司は絶品、決して誇張ではなく、これまでの人生で食べた中で最高の味だった。

 小腹を満たした後、霊宝殿に向かい、拝観料を支払って見学を開始する。それほど大きな建物ではないが、歴史を伝える貴重な展示の数々に心が躍った。
 当然ながら、当寺に伝わるのはタイトルのとおり「題目板碑」、ほぼ原型をとどめているものから破片に近いもの・複数片を組み合わせたものなど、形状は多様、古いものは鎌倉時代中期にまでさかのぼる。板碑に関してはほとんど知識がないが、歴史を肌で感じる思いがして、大変見応えがあった。
 解説パネルでは、過去の調査の様子や各板碑の復元図などが解説されていた。

 板碑以外で注目した展示は【妙本寺大堂常什過去帳】(比企谷妙本寺蔵)、ここに記されている人物名が刻まれた宝塔が鎌倉の大巧寺に残っている(会場には写真を展示)。複数の資料が伝える歴史の点がつながって線となった時に感じる醍醐味は、歴史好きにはたまらない。会場には他の題目五輪塔の写真も展示されていた。板碑や宝塔には人の名が刻まれている。今日その生涯が判明している人は少ないが、間違いなく時代を生き抜いた先人がいたことを伝えている。

【水晶五輪塔】も注目した展示の一つ、納入品やこの塔に関する記載のある江戸時代の古文書、出開帳の記録なども、あわせて出展されていた。

 歴代聖人の筆による【大曼荼羅本尊】も複数展示されていた。過去に親鸞関係の展覧会で【名号】を見たが、鎌倉新仏教では仏像が祈りの対象としての地位を他に譲ったことを再確認した。

他には、五重塔の構造模型や、天保年間に廃寺となった鼠山感応寺本堂の懸魚などが展示されていた。

 見学中、館内に人が入ってくることはなく、落ち着いた空気の中、貴重な寺宝の数々を独占しているような心地よさにしばし酔いしれた。傍の建物からは、おそらく七五三を祈願している題目の声が流れ、荘厳な雰囲気もただよっていた。

 先の墨田区役所に続き、開催回数が多いとはいえない板碑の展覧会を見ることができて、大変嬉しかった。
本特別展の図録は薄型で貴重な情報を分かりやすくまとめてあり、板碑関係の書籍は少ないので迷わず購入した。今後は墨田区役所でもらったパンフレットとあわせて、テキストにして勉強していきたい。
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by nene_rui-morana | 2014-02-06 22:40 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。


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