博物館に初もうで

 標記特集展示は平成26年1月2日から始まっていたが、冬休み中は他用が立て込んで上野には行かれず、成人の日を含んだ連休も連日の多忙に疲れ果てて外出する力がなかった。
年が明けて大きな仕事が本格的に動き始め連日残業続き、25日の土曜日は貴重な休みだったが、翌日で会期が終わってしまうので、本調子ではない体に鞭打って会場に足を運んだ。
 平成館の特別展と東洋館のミュージアムシアターを見て、昼食をとった後、本館2Fに移動した。

 まずは「特集陳列 午年によせて」を鑑賞する。タイトルのとおり、今年の干支にちなんで、馬を表現した絵画や彫像・埴輪・鏡・調度・馬具などが展示されていた。
 特別2室かここでの見ものは何といったも長谷川等伯筆【牧馬図屏風】、花鳥画も盛り込んで様々な模様の馬を生き生きと表現した6曲1双の大作、強いインパクトを受けた。隣の【厩図屏風】は、両端描かれた鳥や松・苔の表現に注目した。この部屋にはもう等伯作品を一作展示【伝名和長年像】のモデルは別人との説が近年提唱されているが、手前に愛馬らしき暴れ馬を描いた異例の、それだけに印象に残る作品だった。*以上はすべて重文
 特別1室で印象に残ったのは、【韋駄天坐像】【吉祥天母坐像】【毘沙門天坐像】、中国・清時代の作品、馬に乗った姿は絵画でも彫刻でも過去に見た記憶がない。
 強いオーラを放つ【十二神将立像 午年】(重文)は、鎌倉幕府の有力御家人・三浦氏が、慶派に発注した品だという。

 特別室を出た後、本日は10室から時代を遡る形で見ていった。
 浮世絵コーナーでは正月らしいテーマを描いた作品を展示、春信、清長、北斎、豊広、豊国らの競演を楽しんだ。私の好きな七福神を描いたものもあった。

 第7室では、尾形光琳の【孔雀立葵図屏風】(重文)に対面、個人所有の貴重な作品で本日見られた意義は大きい。ここにはあわせて、【松竹梅図屏風】(立林何帠筆)他一点が展示されていた。

 第8室では仙厓義梵の画に対面できて大感激、他にも大雅や応挙らの作品を見ることができた。狩野山楽筆【黄石公張良虎渓三笑図屏風】の鮮やかな色彩に魅了された。あわせて、三傑の他、勝、榎本、三条、岩倉ら維新の時代のそうそうたる面々の書も展示されていた。

 第4室の展示は「茶の美術」、最近特に注目しているジャンル、本日も長次郎の茶碗や利休の書など見応えのある展示に心躍った。筒に蒲生氏郷の自著が入った竹茶杓なども見られた。

 第3室も印象に残るコーナーだった。一休の他、源兼行や藤原伊房など過日の和書の展覧会で注目した人物の書に再会できた。【釈教三十六歌仙絵巻】および断簡(ともに重文)は特に心に残った私好みの作品だった。同じく重文の【融通念仏縁起絵巻】も好きなジャンル、室町時代の作とのことだった。

 そしていよいよ、本企画最大の見ものと感激の再会を果たす。
 国宝室に展示されていたのは長谷川等伯の【松林図屏風】、等伯展の感激がよみがえる。幽玄で静寂な中にも力強さが感じられる日本美術史上屈指の名品、再び見られた感激に胸を躍らせながら、じっくりと見入った。

 本日の本館2階には他にもいい展示がたくさんされていたが、この後に再び平成館に戻る予定があり、時間の関係でじっくりと味わうことはできなかった。帰宅後にHPを確認して、見逃してしまった必見作品もあったことが判明した。
 上記作品群も、やや急ぎ足の鑑賞となった。
 【松林図屏風】は来年の正月に再び公開されるという。他の作品も当館所蔵なので、いつかまた公開されるだろう。
 暮れに東洋館で公開された【東博本 清明上河図】や、公開が13日までだった池大雅の【楼閣山水図屏風】など、自分にとっては必見で鑑賞が叶わなかった作品と共に、再会を心待ちにしている。
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by nene_rui-morana | 2014-01-26 11:51 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)