ニューヨーク・シティ・バレエ2013

[副 題] レオナール・フジタ展 藤田嗣治 エピローグ

 2013年9月28日(土)、「Bunkamura ザ・ミュージアム」で藤田嗣治の展覧会を見た後、オーチャードホールで開催されるコンサートやお芝居のポスターを見ていた。ここには過去、映画祭や舞台でも何度か足を運んだことがある。
 そのうちに、あるポスターが目に入る。5人の男性ダンサーがジャンプする姿を撮った写真を見て、瞬時にそれが、自分にとっては忘れられない映画を基調としたものであることが分かった。

 その映画のタイトルは『ウエストサイド物語』、中学生の頃に出会ってから、文字通り自分の人生すべての状態がしばらく続いた。当時の我が家にはビデオもステレオもなくテレビも一台だけ、熾烈なテレビ権争い?を制して見た吹替え版から得た感動は計り知れず、その後の人生に多大な影響を与えられた。昼食を何度もぬいてサントラレコードを買い、親戚宅でテープに録音してもらって文字通り擦り切れるほど聞き続け、歌詞は全て暗記した。同じく食事代を削って文庫版の原作翻訳版や、特集記事が組まれた映画雑誌のバックナンバーなども購入した。
 精神的にも経済的にも極めて過酷な日々を送っていた10代の自分にとって、この映画は何よりも大きな支えとなった。同時に、この映画が原因で、極めて若い時に、生きていく上では避けられない苦しみ・悲しみをも味わうことになった。喜びも悲しみも含めて、『ウエストサイド物語』は自分の人生に最も大きな影響を及ぼした忘れられない映画、決して誇張ではなく、この映画との出会いがなければ自分の人生は変わっていた。
出会いから2年ほどして、映画館でリバイバル公演が実現し、パンフレットも入手することができた。次回いつ見られるという保証もない頃は、毎週『ぴあ』を立ち読みし、近隣で上映される時はこれも食事代を削って名画座に赴いた。何度かテレビでも放映された。大学時代にようやく家にビデオが入り、間もなくカット入りだが録画もできて、見たい時に見られるようになった。数年前にはディスカウントショップで、かつては想像もできないほどの廉価でDVDを入手した。
 来日したブロードウェイの公演も何度か観にいった。この作品のみのもの、『ジェローム・ロピンス・ブロードウェイ』のようなオムニバス形式のもの、その度に、ブロードウェイ・ミュージカルの真髄を見せつけられた。

 今回上演された『ウエスト・サイド・ストーリー組曲』は、名シーンをバレエ作品にリメイクしたもの、コールド・バレエ全員が黒い衣装で踊るジョージ・バランシン版『白鳥の湖』とあわせて、ニューヨーク・シティ・バレエ団の真髄を堪能したかったが、多くのイベントと同様に今の自分には叶わぬ夢と消えた。
かつてのように、心置きなく音楽や舞踊を満喫できる日が再び自分の上に現れるのか、今はその見込みすらない。
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by nene_rui-morana | 2014-01-14 19:35 | 映画 | Comments(0)