レオナール・フジタ展 藤田嗣治 ①

[副 題] ポーラ美術館コレクションを中心に

[見学日] 2013年9月28日(土)

[会 場] Bunkamura ザ・ミュージアム


 藤田嗣治ファンである私、当然ながら標記展覧会に足を運ばずにはいられない。某所で情報を得てから、出向く日を心待ちにしていた。
 当日は出掛けに慌てて出たため双眼鏡を忘れ、無念にも老眼に眼鏡のみで鑑賞することになった。
 渋谷に到着してから、何度か利用しているアジアンダイニングの店でフォーとタピオカの昼食をとり、会場へと向かった。

 会場へ入り、まず出迎えてくれたのは、案内パネルと土門拳が撮影した藤田の写真【フジタとマケット(私たちの家)】、続く展示で100年前のパリへと誘われる。
 * 今回もカテゴリに迷いましたが、展示作品のほとんどが外国で描かれたものもので、「西洋編」にアップして作者名は「藤田嗣治」とする折衷案をとりました。


Ⅰ モンパルナスのフジタ-「素晴らしき乳白色」の誕生
 藤田描く【巴里城門】や【パリの要塞】は、今とは違ったパリの姿(私はまだこの目では見たことがないのだが)を伝えている。【自画像】は針仕事をする自身の姿を描いたもの、藤田は手先が器用で複数の土門の写真が伝えるようにミシンも踏んだし額縁なども制作している。【礼拝】は、祭壇画、祈る女性、ステンドグラス、いずれも印象的だった。

 藤田が傾倒していたアンリ・ルソーの風景画も展示されていた。私自身はルソーはまだ大好きとは言えないが、今回も含めてこれまで直に接した作品はいずれも心に残っている。
 続いて、アメデオ・モディリアーニ、キスリング、ジュール・パスキン、シャイム・スーティンなど、親交のあった画家の作品を展示、ロシア出身というスティーンの名は本日初めて知ったが、その画風には注目させられた。

 そしていよいよ、いよいよ乳白色の肌の美女が登場、共演?の猫と共に「これぞ藤田!」と絶賛できる作品の数々に、心躍った。
 【タピスリーの裸婦】と【座る女性と猫】、共に初めて藤田に出会い魅了された頃が懐かしく思い出された。
 鉛筆で描かれた下絵【女眠る】のモデルは当時の内妻ユキ(リュシー・バドゥ)だが、完成版【女眠る】のモデルはマドレーヌ・ルクーに変わる、猫も描き加えられている。
 このコーナーの後半には、後の時代を彷彿とさせる子どもの絵が展示されているが、後世のややくだけた画風とは異なり乳白色の裸婦を幼くしたような耽美的な作品だった。【小児(猫を抱く少女)】や【小児(猫を抱いて眠る少女)】などが特に気に入った。
 【ピアノと娘】は長く所在不明で、今回が初公開だという。

 また、絵画作品と あわせて、あの独特の乳白色を生み出したタルクを主成分とするベビーパウダーも展示されていた。これをカンヴァスの表面に施すことにより、光沢ある上品な下絵表現が可能となった。


Ⅱ フジタの子どもたち-アトリエのなかの物語
 このコーナーにも藤田の真骨頂・裸婦作品が展示されていた。【植物のなかの裸婦】は戦後にGHQ関係者として来日し日本美術を贔屓にしたフランク・シャーマンのために制作されたもの、シャーマンの名も本日初めて知ったが、過去に展覧会が開催され関連書も出版されている。愛した作品のジャンルは違うようだが、さしずめ、モースやビゲローの後進、プライス氏やファインバーグ氏の先輩といったところだろうか。
 【春】【秋】はミュシャ作品を心の中で思い出しながら見比べた。

 あわせて、唯美的な子どもの作品も展示されていた。一部の作品はマケットを舞台に描かれたという。次章の【小さな職人たち】を彷彿とさせるような作品もあった。
 【姉妹】は額縁も藤田自身が制作(展示作品はレプリカ)、土門が撮影した額縁の木地を接着する藤田の写真も残されている。
 【校庭】は、人種も服装も年齢も異なる子供たちと女性教師が描かれ、当時もパリが国際都市だったことがうかがえる。
 ポスター等にも利用されている【誕生日】は、人物(窓外から覗く子どもたちも含めて)もいいが、花やケーキ・食器の描写も実にいい。
 藤田は生涯に複数の女性をパートナーとしたが、子どもはいない。そのためか、子どもを描いた作品には藤田独自の愛情が感じられるような気がした。フランス国籍を取得に彼の国に永住した後は、近所の子どもたちを可愛がっていたという。

 模型【私たちの家】【私のアトリエ】も異例の展示だが心に残った。【室内】は【私たちの家】を細部まで綿密に描写している。

 【ラ・フォンティーヌ頌】や【犬の円舞】など、動物を描いた作品も見られた。この分野の真骨頂はやはり猫で展示作品数も多い。写実美あふれる画風からマンガチックなものまで、このジャンルでも多彩なフジタ・ワールドを堪能した。

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by nene_rui-morana | 2014-01-12 20:48 | 旧展覧会・美術展(西洋編) | Comments(0)

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