国宝 興福寺仏頭展 後期

[副 題] 興福寺創建1300年記念

[見学日] 2013年11月23日(土)

[会 場] 東京藝術大学大学美術館


 10月に標記展覧会を見学した時、展示内容が前後期に分かれることを知る。多忙の折、調整は困難だったが、前期が予想以上に見応えがあり受けた感動も並々ならぬものがあったので、後期のみ展示品はもとより前期から出展されている作品にもまた会いたくて、仕事が休みの土曜日に再度会場に赴いた。
 最終前日ということもあってか、予想外に混雑していてチケットを買う人の列ができており、少々待たされた。


第1章 法相宗の教えと興福寺の絵画・書跡
 【厨子入り木像弥勒菩薩半跏像】(重文)の精緻で気品あふれる造形には、本日も魅了された。後方の【厨子】(重文)には、各扉の内側に高僧の系譜が網羅的に書かれている。変体仮名は読めないが、『維摩』『文殊』『無若』などは判読できた。肖像も個性豊かで品格あり一部はユーモラス、装飾デザインも素晴らしいと思った。
 【興福寺別当次第】(重文)などの文書類を今回もじっくり見た。
 【成唯識論述記(春日版版木)】は桜材で鎌倉時代初期のものだという。
 【明本鈔 巻第十三】(重文)は、かの貞慶の論理学書を弟子・良算が代筆したものだが、奥書は貞慶自身の書、書き足しや消し込みも見られた。歴史上著名な人物の直筆の書はやはり感じるものがある。
 【護法善神扉絵】(重文)が前期と展示替えされている。色彩も残り写実的な逸品、モデルに扮装されて描いたのではと思った。【閻魔王像】は判決文を読んでいる。
対して【法相祖師像彩絵 厨子扉絵】は、やや描写が高いが、鎌倉時代の史料である。
 【慈恩大師像(大乗院伝来)】(重文)は、双眼鏡で覗くと細やかな描写が見られた。
 【法相曼荼羅図】の中には、無著、世親、慈恩大師など、お馴染みの面々?(失礼な言い方だが)が見られた。中央の弥勒も大変美しい。


第2章 国宝 板彫十二神将像の魅力
 前期に続き、本日も国宝の標記作品を思う存分堪能した。
いかめしい中にもユーモアあふれる造形に、仏師の信仰心と遊び心が感じられ、見る人に訴えるもの、見る人を楽しませるものがある。
 どれも素晴らしいが、本日は【迷企羅大将像】の躍動感あふれるポーズ、足の裏の表現に注目した。


第3章 国宝 鋳造仏頭と国宝 木像十二神将立像
 この日もこの展示室では、言葉では言い表せないほどの感動を味わった。居並ぶ所像は、さながらステージでポーズする役者のようで、背面からも表情が感じられた。
 手をあわせた【真達羅大将像】の静かな力強さには、東大寺戒壇堂の広目天像と共通するものを感じた。
 【仏頭】の前に立ち、造詣が似ている【橘夫人念持仏】や同じ白鳳時代の所像を思い出しながら、かつての姿を想像した。


第4章 特別陳列 深大寺釈迦如来倚像
 本日この仏像を見られた喜びも大きかった。


≪感想≫
 前期と同様に至宝の数々に陶酔した。
 今回、解説パネル等も見て、法相宗寺院である興福寺にとって、慶派仏師がその彫像を制作した無著や世親がどれほど重要な人物なのか再確認した。
 これまでに、興福寺にも関連する展覧会にも、何度も行ったが、あまりにも無知だったと感じている。
しっかり再勉強し、東金堂が完成したあかつきは、ぜひまた興福寺を訪れて諸仏に再会したい。
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by nene_rui-morana | 2014-01-07 20:57 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

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