ファインバーク゜・コレクション展 前期 ①

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  [副 題] 江戸絵画の奇跡   [見学日] 2013年6月8日(土)  [会 場] 江戸東京博物館


 予告チラシを入手して以来、心待ちにしていた標記展覧会、当日は小林忠先生の講演会をはさみ、里帰りした至宝の数々を堪能した。

 スタートは俵屋宗達作【虎図】、猫のように可愛らしい画風、<法橋宗達>の署名があった。
 歩みを進めると、そろに広がるのは夢の琳派ワールド、居並ぶ抱一や其一の作品の数々に酔いしれた。

 我が酒井抱一の作品との対面は本特別展のクライマックス、文字通り感動で胸が震えた。
 古典を題材とした【宇津の細道図屏風】は、四条派とは違った魅力があった。
 【十二ケ月花鳥図】は、珠玉揃いの本特別展の中でも文句なしの最高作の一つ、以前から美術書で知っていたが、今回全幅同時に見られた感激は計り知れず、あらためてファインバーグご夫妻に心より感謝したい。一月の花や三月の鳥などに使われた鮮やかな群青、琳派らしいたらしこみ、七月の紫陽花の蕾、八月の花と鳥、十月の木の実を加えた鵥、十二月の雪、等等、この作品の魅力は尽きない。全幅どれもが素晴らしく、毎度のことながら、とても自分の拙い文章力では表現できないとしか記せない。
 
 鈴木其一は今の自分の中に最も大きな位置を占めている絵師の一人、本日も見る者を魅了せずにはいない作品の数々に大感激した。
 【大江山図】はあざやかな色彩が、【松島図屏風】の波の前衛的な表現が、それぞれ印象的だった。
 群鶴図屏風】は以前購入した抱一関係の美術書で知った作品、個性的な描写の鶴と琳派らしい意匠化した川が、見る者に忘れがたい印象を与える。至近距離ギリギリに近づき、筆跡まで念入りに見た。

 今回は其一以外の抱一の弟子の作品も出展されていた。
 池田孤邨作【雷神・暴れ馬図】は、暴れ馬を抑えようとする子どもの姿が心に残った。

 近年とみに魅せられている池大雅の作品も登場し、喜びで胸が高鳴った。
個人的には淡色や点描が用いられたような画が最も好みだが、【雪竹図】はモノクロ、しかし薄青を背景に墨だけで竹を完璧に表現し、じっと見ていると節の写実的な描写にも引き込まれる。
 小林忠先生が講演会で話されたように、【孟嘉落帽・東坡戴笠図屏風】は、文人高子に相応しくない不作法を自由でおおらかなものと礼賛している。
 夫人・玉瀾の作品も出品、【風竹図扇面】は風になびく竹をリズミカルに描いている。
 
 与謝蕪村の絵画も最近では自分の中での位置が急上昇している。
 本日展示されている【竹斎訪隠屏風】は私好みの淡色・点描、大雅作品との共通点が感じられた。【高子渡橋図】もとてもいい作品だと思った。

 横井金谷は本日初めて聞く名だが、文人画が好きなので、湖・舟・人物の揃い踏み【琵琶湖真景図屏風】は心に残った。
 中林竹洞もおそらく本日が初見、展示されているのは琳派を代表するモチーフを違った個性で描いた【四季花鳥図】、四幅で冬のみモノクロとなっている。
 岡田米山人が描いたのは、先だって平成館で特別展を見た王羲之の【蘭亭曲水図】、鉛筆画のような画風だった。

 岡本秋暉は以前別の美術館で開催された中規模な展覧会でその名を知った。【蓮鷺図】は、うねるような水と鷺の鋭い目がいささか不気味な印象を与えるが、弱肉強食を暗示するような画風は武家好みだったという。
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by nene_rui-morana | 2013-11-01 19:56 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

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