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美術にぶるっ! 第1部 MOMATコレクション スペシャル ①

美術にぶるっ! 第1部 MOMATコレクション スペシャル ①_f0148563_18482259.jpg[副 題] ベストセレクション
        日本近代美術の100年

[見学日] 平成25年1月2日(水)

[会 場] 東京国立近代美術館


 年末年始は良い展覧会が目白押し、多忙な時期ゆえ、スケジュール調整の苦労も並々ではない。最近は当館のように正月2日からオープンする美術館も少なくなく、今年の自分には大変助かった。
 平成25年のスタートは表記展覧会となった。
 当日は最寄り駅の東西線・竹橋駅より現地に向かった。実は私は若き日の数年間、この近くに毎日のように通いつめていたのだが、当館を訪れる機会はあまりなく今回が2度目となる。隣接する公文書館には卒論執筆時に一度だけ足を運んだ。
 チケットを購入して館内に入り、エレベーターで4Fに上がった。


●4F展示室1 ハイライト
 展示室に一歩足を踏み入れると、そこは文字通り近代絵画の殿堂、知らぬ人なき有名な画家、どこかで接した有名な絵画の数々に、圧倒されつつ次々と見ていった。
 スタートは狩野芳崖作【仁王捉鬼図】、河合玉堂作【行く春】は特に心に残った作品、雪と見まごうばかりの桜や波(筆の線が見られた)、風車、屋形船、強く心を打たれた。横山大観の【生々流転】とは二度目の対面、本日は半分ほどしか見られなかったが、間違いなく近代日本を代表する作品であることを再確認した。
 他にも、かの菱田春草の【賢首菩薩】などが展示されていた。


●4F展示室2 はじめの一歩
 このコーナーの最大の注目作品は何といったも安井曽太郎作【金蓉】、高校の日本史教科書等でもお馴染みの作品、鮮やかな青の表現にはやはり一際大きなオーラがあった。
 他には、青木繁、浅井忠、黒田清輝などの作品が見られた。


●4F展示室3 人を表す1
 個人的にはこのコーナーは特に見応えがあった。
 和田三造作【南風】も高校の教科書に掲載されていた作品、その前に立ち、やはり教科書に載る絵画は史上に残る逸品であると感じた。
 振り向くと大感激、そこに展示されていたのは、藤田嗣治作【五人の裸婦】、10数年前に秋田を旅行した際に現地の美術館で藤田の作品に出会いファンになった私、あの独特の白で表現された裸婦は実に素晴らしく、興奮で胸躍らせながらしばし見入った。犬と猫、足下の布の表現も心に残った。隣の【自画像】と並んで、特に嬉しい展示だった。
 岸田劉生作品は【麗子肖像(麗子六歳之像)】【麗子六歳之像】の二点が展示されていた。

●4F展示室4 人を表す2
 このコーナーは彫刻を展示、関連番組でも紹介された新海竹太郎作【ゆあみ】(重文)は、欧州の技術を受け継ぎつつも日本の観音像を思わせるものがあった。
 荻原守衛の【女】や高村光太郎の【手】など、近代彫刻史を語るうえで不可欠の作品とも対面できた。


●4F展示室5 風景を描く
 最も多くの作品を展示したこのコーナーも大変見応えがあった。
 どの作品も素晴らしいが、岸田劉生の【道路と土手と塀切通之写生】や安井曽太郎の【奥入瀬の渓流】などは、特に輝いていたと思う。
 本日初めてその名を知った谷中安規の版画は、どこかユーモラスでピカソを連想させるものがあった。
 木村荘八作【永井荷風著『 東 憚』】からは大戦前の下町の光景が伝わってきて感銘深かった。
 岸田劉生や田中恭吉の葉書からは画家の私人としての一面が感じられた。
 他にも、佐伯祐三や梅原龍三郎の作品が展示されていた。


 途中、≪眺めのよい部屋≫で、皇居の素晴らしい景観を見ながら小休止した。
by nene_rui-morana | 2013-05-25 20:03 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。

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