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彼岸の墓参

 3月23日、お墓参りに行って来ました。
 我が家のお寺があるのは巣鴨、道中はこの地発祥の染井吉野が満開、霊園なので写真は撮りませんでしたが、満開の桜に抱かれて、少し心もあったかくなったように思いました。
 墓参の人々が手向けた鮮やかな花の色も、そこかしこに咲いている水仙や沈丁花からも、春という季節を感じました。
 家のお墓には、真新しい塔婆があげられていました。
 初孫の私を可愛がってくれたお祖父さんとお祖母さんに「しばらく来なくてごめんね。いつも見守ってくれてありがとう。」と手をあわせました。

 我が家のお寺には、有名な人物も何人か眠っています。また、「享保」や「天保」といった年号が刻まれている古い墓石も見られました。
 墓地に入ってすぐの所には無縁仏があります。「戦災で絶えてしまった檀家がたくさんあったので、先代のご住職が浄財をつのって整備した。」と祖父が生前話していました。子どもの頃から、墓参の時には必ずまずこちらに手をあわせ、賽銭をあげるように言われました。自身も終戦をはさんで3年の間に、両親、弟、長女を病気や戦争で亡くし、空襲で焼け出された祖父にとって、ここに眠る人のことは他人事とは思えなかったのでしょう。少ない年金の中から、寺への寄進は欠かしたことがありませんでした。

 時代はめぐり、平和な日々が訪れましたが、震災でかつての祖父母のように悲しい経験をされた方もたくさんおられます。
 久しぶりに墓参りをして、あらためて先祖から受け継いだこの命の大切さを実感し、厳粛な気持ちになりました。

これまでにも彼岸にこの地を訪れたことはありますが、満開の桜を見た記憶はありません。今年は少し、春の訪れが早いことを肌で感じました。
by nene_rui-morana | 2013-03-26 22:50 | 季節の風物詩 | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。

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