2012年 06月 16日
毛利家の至宝 ②
3階に下り、第2・3展示室を見学する。
●第4章 暮らしにみる大名文化 婚礼調度と雛飾り
かつての華やかな生活をしのばせる調度の数々には、思わずため息が出る。
好きな蒔絵の棚や香箱などは、特に念入りに見た。
注目したのは【火事装束】、今年他の展覧会で複数の類似史料を目にした。かつて大名の息女は、嫁入りの時にこのような装束を持参したという。展示は、敬親の正室・都美姫のものとのことだった。
●第5章 能楽と茶の湯の世界 毛利家ゆかりの道具類
タイトルそのままに、<毛利家>が肌で感じられるコーナー、豪華な能装束に茶碗・釜・盆・壺と、こちらも大変見応えのある展示だった。
●第5章 毛利家と明治維新 近世から近代へ
フィナーレは、この会場がたつ場所にかつて毛利家の屋敷に関する品々か、屋敷図の他、遺構から出土した遺物などが展示されていた。
関ヶ原以降、明治維新にいたるまで、毛利家が果たした役割に関しては、あらためて述べるまでもない。間違いなくこの地でも、日本の歴史は作られていたのである。
≪感想≫
先述のとおり、私は過去に毛利家ゆかりの土地を数回に分けて旅行し、本展覧会の作品の多くを所蔵する毛利博物館も訪れている。【山水長巻】も雪舟の展覧会で見ている。だから、多忙な折、貴重な時間は未知の作品に触れる展覧会に使うべきだったのでは?という気持ちが全くないとはいいきれない。
しかしもちろん、本展覧会に足を運んだことは全く後悔していない。雪舟の作品は大変素晴らしく、何度でも見る価値がある。過去に目にした多くの展示作品も、当時の知識・経験では見えきれなかった魅力が味わえたし、懐かしい旅を回顧する貴重な機会となった。
昨今の状況下では困難だが、今後できれば旅行先で仕入れた資料に目を通し直して、自分の中での存在をより確実なものにしたいと思っている。
帰りがけにショップで【山水長巻】の絵葉書を記念に購入した。
by nene_rui-morana
| 2012-06-16 11:43
| 旧展覧会・美術展(日本編)
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