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毛利家の至宝 ②

 展示室を出ると、かつての毛利家の勢力範囲を示した地図が展示してあった。私は過去数回に分けて、その多くの土地を旅した。萩をはじめ、防府、山口、岡山、等等、懐かしい思い出が胸中をよぎった。
 3階に下り、第2・3展示室を見学する。


●第4章 暮らしにみる大名文化 婚礼調度と雛飾り
 かつての華やかな生活をしのばせる調度の数々には、思わずため息が出る。
 好きな蒔絵の棚や香箱などは、特に念入りに見た。
 注目したのは【火事装束】、今年他の展覧会で複数の類似史料を目にした。かつて大名の息女は、嫁入りの時にこのような装束を持参したという。展示は、敬親の正室・都美姫のものとのことだった。


●第5章 能楽と茶の湯の世界 毛利家ゆかりの道具類
 タイトルそのままに、<毛利家>が肌で感じられるコーナー、豪華な能装束に茶碗・釜・盆・壺と、こちらも大変見応えのある展示だった。


●第5章 毛利家と明治維新 近世から近代へ
 フィナーレは、この会場がたつ場所にかつて毛利家の屋敷に関する品々か、屋敷図の他、遺構から出土した遺物などが展示されていた。
 関ヶ原以降、明治維新にいたるまで、毛利家が果たした役割に関しては、あらためて述べるまでもない。間違いなくこの地でも、日本の歴史は作られていたのである。


≪感想≫
 先述のとおり、私は過去に毛利家ゆかりの土地を数回に分けて旅行し、本展覧会の作品の多くを所蔵する毛利博物館も訪れている。【山水長巻】も雪舟の展覧会で見ている。だから、多忙な折、貴重な時間は未知の作品に触れる展覧会に使うべきだったのでは?という気持ちが全くないとはいいきれない。
 しかしもちろん、本展覧会に足を運んだことは全く後悔していない。雪舟の作品は大変素晴らしく、何度でも見る価値がある。過去に目にした多くの展示作品も、当時の知識・経験では見えきれなかった魅力が味わえたし、懐かしい旅を回顧する貴重な機会となった。
 昨今の状況下では困難だが、今後できれば旅行先で仕入れた資料に目を通し直して、自分の中での存在をより確実なものにしたいと思っている。

 帰りがけにショップで【山水長巻】の絵葉書を記念に購入した。
by nene_rui-morana | 2012-06-16 11:43 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。

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