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東京国立博物館・総合文化展①

[見学日] 2010年1月2日(日)

[会 場] 東京国立博物館本館

 東京国立博物館がリニューアルし、「平常展」が「総合文化展」と改名、記念に「博物館に初もうで」と題して名品の数々が特別公開される。正月2日から開館するので、新年最初の展覧会はこちらに決定、午前11時に会場に到着すると、チケットを求める長蛇の列だったが私は友の会の会員証を掲示して並ばずに入れた。
 館内には新春の花が飾られ、正月らしさが演出されていた。展示内容も、松竹梅や鶴亀など、おめでたいモチーフが多く見られた。本日は館内に外国人の姿も多数見られた。
 最初は2階に上がり、途中に正面前の紙切りや獅子舞のパフォーマンス見学をはさみ、至宝の数々を堪能した。以下は見学順ではなく部屋番号順にまとめました。


《2室国宝室》
 今回の大きな目玉の一つ、雪舟の【秋冬山水図】(国宝)を展示、見るのは今回が初めてではないが、他の名品と同様に雪舟作品も見るたびに新たな感動がある。今年の芸術鑑賞をこの作品でスタートできた喜びは大きい。


《特別2室》
 副題は[博物館に初もうで-美術のなかのうさぎと国々のお祝い切手-]、この部屋は本日注目のコーナー、今年の干支・兎をモチーフにした作品を展示、愛らしい作品が多く思わず口元がほころんだ。
 一方で、【月下木賊に兎】(広重筆)、【兎桔梗図】(宗達筆)など、巨匠の作品も見られて大いに触発された。
 パンフレット写真にも使われた伊万里の【染付双兎図大皿】の前には多くの人が集まっていた。
 各国の切手は小さくてよく見えなかったが、こちらも近代を物語る貴重な歴史史料なので、今回たくさん見られた喜びは計り知れない。


《3室》
 【古今和歌集(元永本)】(国宝)は、小さくて探すのに少々苦労した。上品で大変美しく、華麗な宮廷文化の面影を今日に伝える逸品である。
 【線刻坐王像】(?)は裏面にはサンスクリットが彫られ、表面の線刻は多彩、多くの人が見入っていた。私は拓本が欲しくなった。
 【融通念仏縁起】からは登場人物から当時の風俗などももうかがえて興味深い。
 他には、法具、舎利容器、曼荼羅など、仏教関係の作品を展示、一休や叡尊の書なども見られた。


《本館4室》
 【熊野懐紙】(重文)は後鳥羽上皇の熊野詣での道中に催された歌会で近臣が提出した和歌懐紙のこと、展示作品は飛鳥井雅経の作、王朝文化を伝える上品な作品だった。


《7室》
 【檜図屏風】(国宝)は永徳らしいスケールの大きな作品、金箔地の大地と雲を背景に巨木を豪胆に描く。一方で青の表現には、琳派を思わせるものがあった。


《8室》
 最近は平成館の特別展に訪れた時でもこの部屋と隣接する10室だけは立ち寄るようにしている。
 入室すると見覚えのある画風が飛び込んでくる。まさか本日、若冲作品にまで対面できるとは、感激で胸がいっぱいになった。タイトルは【松梅群鶏図屏風】、鶏の羽毛の表現や点描の石灯篭は、文句なしに若冲の独壇場、本日の鶏たちはユニークな表情で、鶏頭には赤の彩色がされていた。
 隣には【風神雷神図屏風】(重文)、別の展覧会で見た時よりは少し小さく感じたが、天才絵師・光琳の実力がいかんなく発揮された素晴らしい名品、多くの人がこの作品の前で感嘆の声をあげていた。
 【雪中老松図】はそのタイトルのとおり、応挙らしさが感じられる逸品、雪と松の取り合わせに他の追従を許さない応挙の魅力が感じられる。
 この部屋は他にも、岩佐又兵衛や宗達の絵画や、白隠・沢庵・天海らの書など、大変見応えのある展示がされていた。
by nene_rui-morana | 2011-01-03 20:35 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。

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