趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。
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大江戸グルメと北斎 前期

f0148563_15093309.jpg
[見学日] 2018年11月20日(火)


[会 場] すみだ北斎美術館



 多くの浮世絵の舞台となり、葛飾北斎生誕の地に建つすみだ北斎美術館の特別展には、入館以来皆勤で足を運ぶ決心を固めていた。残念ながら仕事等の関係でそれは途絶えてしまったが、年間パスポートを購入し可能な限り通い続けている。

 表記特別展も前回の展覧会でチラシを入手した際に、即座に鑑賞を決心した。

作者名を記していない作品は基本北斎作、所蔵は当館です。また、未だ記事がアップ出来ていないすみだ北斎美術館の展覧会もあるのですが、表記特別展の後期は2019年1月に行ったこともあり、先に掲載することにしました。



f0148563_15094098.jpg章  江戸グルメの繁栄

★農業

 まずは3階の展示室から見学を開始する。

 スタートは【百人一首うはかゑとき 天智天皇】、続いて稲作を描いた【『北斎漫画』三編】が目に入る。

 【甘斎画譜】の作者・市川甘斎は北斎の孫弟子とのこと、彼の名はこの後にも登場する。


★漁業

 本コーナーでは、【春興五十三駄之内 蒲原】と、蔀関月作【『山海名産図会』三 広島牡蠣畜養之法】に注目した。


★調味料

 本コーナーには特に興味をそそられた。

製塩の様子を描いた【五十三次江都の往かい 蒲原】は、小振りだが北斎らしい名品である。

【『北斎漫画』十三編 砂糖製】はタイトルのとおり、砂糖の製造方法を伝えている。

市川甘斎は三枚続の【山海名産図会】で、蜂蜜・米・鰹節の製法を描いている。





続きはこちら
# by nene_rui-morana | 2019-02-11 15:37 | 東京スカイツリーの町から | Comments(0)

フェルメール作品リスト

 本リストは2012年≪フェルメール光の王国展≫の記事の整理用に作成しましたが、今後は逐次内容を書き換えていく予定です。
 すなわち、新たなフェルメール作品が発見されれば書き加え、逆にリスト中の作品がフェルメール作ではないと判明したら削除します。
 見た月日と場所も書きます。昔のことで思い出せないものは判明した時点で書き加えます。
 また、赤字表記の作品は未だ直接見ていないもので、いつの日か全作品が黒字になればいいなと思っています。


【マウリッツハイス美術館】*オランダ
1.デルフト眺望

2.真珠の耳飾りの少女
   2012年9月7日、11日  東京都美術館
3.ディアナとニンフたち
   2008年12月12日  東京都美術館


【アムステルダム国立美術館】*オランダ
4.牛乳を注ぐ女
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館
5.青衣の女
   2012年 Bunkamura ザ・ミュージアム
6.恋文
7.小路
   2008年12月12日  東京都美術館

【ベルリン国立美術館】*ドイツ
8.真珠の首飾りの少女(真珠の首飾りの女)
    2012年8月8日  国立西洋美術館
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館
9.紳士とワインを飲む女(ワイングラス)
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館

【アントン・ウルリッヒ公美術館】*ドイツ
10.二人の紳士と女

【ドレスデン国立美術館】*ドイツ
11.窓辺で手紙を読む女
12.取り持ち女
    2019年1月28日   上野の森美術館


【シュテーデル美術館】*ドイツ
13.地理学者
    2011年  Bunkamura ザ・ミュージアム

【ルーブル美術館】*フランス
14.天文学者
    2015年5月  国立新美術館
15.レースを編む女
   2009年6月11日  国立西洋美術館


【ロンドン・ナショナル・ギャラリー】*イギリス
16.ヴァージナルの前に立つ女
17.ヴァージナルの前に座る女

【ケンウッドハウス】*イギリス
18.ギターを弾く女

【バッキンガム王室コレクション】*イギリス
19.音楽の稽古

【スコットランド・ナショナル・ギャラリー】*イギリス
20.マリアとマルタの家のキリスト
    2008年12月12日  東京都美術館
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館


【アイルランド・ナショナル・ギャラリー】*イギリス
21.手紙を書く女と召使い(手紙を書く婦人と召使い)
    2012年 Bunkamura ザ・ミュージアム
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館

【ウィーン美術史美術館】*オーストリア
22.絵画芸術
    1993年  ウィーン美術史美術館

【ワシントン・ナショナル・ギャラリー】*アメリカ
23.手紙を書く女
    2012年 Bunkamura ザ・ミュージアム
24.天秤を持つ女
25.赤い帽子の女(赤い帽子の娘)

26.フルートを持つ女


【フリック・コレクション】
27.兵士と笑う女
28.女と召使い
29.稽古の中断

【メトロポリタン美術館】*アメリカ
30.眠る女
31.水差しを持つ女
    2016年2月11日(金)  森アーツセンターギャラリー
32.窓辺でリュートを弾く女(リュートを調弦する女)
    2008年12月12日  東京都美術館
    2018年11月20日  上野の森美術館
    2019年1月28日   上野の森美術館
33.少女
34.信仰の寓意
【個人蔵】
35.聖女プラクセデス

36.ヴァージナルの前に座る若い女
   2008年12月12日  東京都美術館


【イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館】*アメリカ
37.合奏 (1990年盗難)

# by nene_rui-morana | 2019-02-08 22:16 | 2012フェルメールYEAR | Comments(0)

大江戸グルメと北斎 前期

[見学日] 2018年11月20日(火)

[会 場] すみだ北斎美術館

 多くの浮世絵の舞台となり、葛飾北斎生誕の地に建つすみだ北斎美術館の特別展には、入館以来皆勤で足を運ぶ決心を固めていた。残念ながら仕事等の関係でそれは途絶えてしまったが、年間パスポートを購入し可能な限り通い続けている。

 表記特別展も前回の展覧会でチラシを入手した際に、即座に鑑賞を決心した。

作者名を記していない作品は基本北斎作、所蔵は当館です。また、未だ記事がアップ出来ていないすみだ北斎美術館の展覧会もあるのですが、表記特別展の後期は2019年1月に行ったこともあり、先に掲載することにしました。

1章 江戸グルメの繁栄

★農業

 まずは3階の展示室から見学を開始する。

 スタートは【百人一首うはかゑとき 天智天皇】、続いて稲作を描いた【『北斎漫画』三編】が目に入る。

 【甘斎画譜】の作者・市川甘斎は北斎の孫弟子とのこと、彼の名はこの後にも登場する。



続きはこちら
# by nene_rui-morana | 2019-02-02 16:30 | Comments(0)

忠臣蔵-赤穂忠臣録絵巻と浮世絵-

 すみだ郷土文化資料館では過去に何度か、地元・墨田(かつての本所)が舞台となった忠臣蔵の展示会が行われている。

 「隅田川七福神と向島の名所」を見るために当館を訪れた時、館内2階では表記展覧会が開催されていたので、あわせて鑑賞した。


 過去は、赤穂四十七士を描いた浮世絵やゆかりの古文書などが展示の中心だったと思うが、本日のメインは【赤穂忠臣録絵巻】、展示替えはあったが全巻展示され、一部パネル解説もされていた。大変見応えがある作品で、今回対面できたのはラッキーだったと思う。


 他には、歌川芳虎や広重の浮世絵などが展示されていた。


 我が国貞の作品も出展、【十二段続き】は空摺りも明確に見える秀作だった。3階の特集展示とあわせて、素晴らしい国貞作品を複数見られたことは、自分にとっては大変嬉しい展覧会だった。


 実は過去の当館の忠臣蔵の特別展にも足を運んでいるのだが、未だ記事がアップ出来ていない。

 他の展覧会同様、なるべく早くと思いつつも成せないまま時だけが流れる。

 昨年の年末ジャンボ宝くじも撃沈したので、いつになるのか見通しはつかないで、一つずつでもコツコツと進めていきたい。


# by nene_rui-morana | 2019-01-14 09:36 | 東京スカイツリーの町から | Comments(0)

隅田川七福神と向島の名所

f0148563_21022786.jpg[見学日] 平成31年1月9日(水)


[会 場] すみだ郷土文化資料館



 平成31年最初の見学は、東京スカイツリーに程近い地で開催されていた表記特集展示、平成最後の正月に見るものとしても相応しい内容だと思い、この近所に仕事で出向いた折に足をのばした。

 見学前に、近くの牛島神社と三囲神社にも参拝した。


 多くの物見客で賑わった隅田川を描いた浮世絵には事欠かない。当地が生んだ天才・葛飾北斎も隅田川作品を数多く残している。

 今回は私が大好きな七福神がテーマということで、期待も俄然高まる。


 会場は3階のさほど広くはない展示室だが、一歩足を踏み入れた途端、魅力的な展示の数々に興奮はピークに達した。


 「隅田川七福神」は、当地の骨董商で酒井抱一らと親交が深かった佐原鞠塢が創設したと言われる。鞠塢は抱一の命で京都で尾形光琳の事跡調査にあたった人物、抱一命名と伝わる「向島百花園」には多くの文人墨客が集った。

 展示のスタートは佐原鞠塢の著書、江戸文化が円熟した時期の貴重な史料でもある。


 続く展示は江戸の大文化人・大田南畝の肖像画や書、一部は見たものもある。

 抱一の周囲について触れる度に、その交友関係の広さ、華麗な人脈を生んだこの地の魅力に、ますます魅せられていく。


 百花園は明治以降も残った。室内には佐原家等に伝わる明治から昭和までのパンフレットなども展示されていた。関東大震災や東京大空襲で荒廃した時期もあったが、往年に比べれば規模は小さくなったと思うが現在も残り、四季それぞれの顔で訪れる人を楽しませてくれる。自分も抱一らの面影を求めて何度か出向いた。園内で見るスカイツリーの姿もなかなかいい。


 今回は、隅田川七福神各所の江戸から現代までを、写真パネルや『江戸名所図会』などの資料で紹介していた。石碑等の写真も展示されていた。

 展示されている浮世絵も大変素晴らしかった。初見のもの、過去に見たもの、夢中で見ていった。


 我が歌川国貞作品も何点か出展されていて、大いに感激した。

 時の人気役者が勢揃いした【小村井梅園 秋の七草】は当地近くの梅の名所を描いたもの、制作は嘉永6年、西暦でいえば1853年、ペリー来航により大きく時代が動いた年である。帰宅後調べたら、この作品は平成25年に江戸東京博物館で開催された≪花開く江戸の園芸≫に出展されていた。ここに描かれているのは秋の情景だが、タイトルのとおり、現在も鉄道の駅名が残る小村井やゴッホが模写した広重作品で有名な亀戸界隈は、一面の梅園が広がっていた。梅の季節にはこの世とは思えないほど美しい景観だったであろうことが容易に想像できる。

 【雪月花の内 花曇】は本日の一押し、制作は前期より少し前らしい。屋形船の屋根には都鳥の作りもの、船内には桜餅の籠と、当地の名物がしっかり描き込まれている。描かれた女性の美しさ、特に右の石段を下りる女性は黒い着物や帯など出色の出来、何度も繰り返し見入った。国貞の作品は各所でたくさん見ているが、この作品は多分、今回が初見だと思う。


 河鍋暁斎や歌川派の七福神の浮世絵も楽しくて大好き、いくら見ても見飽きない。


 昨年末から正月にかけて、自分の身辺ではトラブル等が相次ぎ、ブルーな気持ちでの仕事始めとなった。

 そんな中にあって本展覧会は、心を慰め、あたためてくれた。

 向き合わねばならない課題は数限りないが、良い展示をたくさん見られたことを支えに、一歩ずつ進んで行こうと思った。

 今回は展示リストがないのが少々残念だったが、昨年に引き続きカレンダー付展示リーフレットをいただいた。好きな七福神の絵が使われており、とても嬉しかった。


# by nene_rui-morana | 2019-01-13 12:12 | 東京スカイツリーの町から | Comments(0)

ウィーン万国博覧会

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[副 題] 産業の世紀の幕開け


[見学日] 2018年12月14日(金)


[会 場] たばこと塩の博物館


渋谷から東京スカイツリー近くに移転した「たばこと塩の博物館」は、建物は新しく綺麗で良い企画展を実施し、拝観料も安い。開館40周年記念の表記特別展は某所から招待券を入手できた。

 19世紀に欧米で開催された万国博覧会については、日本の芸術作品を世界に知らしめたことなどに関連して近年大いに関心を寄せている。よって今回も、自分にとってはハズすことはできない。

 ※ 展示史料は旧字体で書かれていましたが、本稿では表記は常用漢字で行います。作品名の()内は所蔵者、無記入は個人所蔵です。



続きはこちら
# by nene_rui-morana | 2019-01-08 17:41 | 東京スカイツリーの町から | Comments(0)

並河靖之 七宝

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[副 題] 明治七宝の誘惑-透明な黒ま感性


[会 期] 2017年2月17日(土)


[会 場] 東京都庭園美術館



表記展覧会はおそらく新聞広告で知ったと思う。国立博物館のような大規模な告知はしていなかったので、知らずに見過ごしていた可能性もある。

並河靖之(1845年~1927年)の七宝作品にはひとかたならぬ思い入れがあるので、情報を得られたことを神様に感謝する。

会場となった「東京都庭園美術館」はかつての旧朝香宮邸、自分にとってはいくつかの忘れがたい思い出がある場所である。見学中の窓から見る庭園が美しかった。


 並河靖之は武州川越の武家の出身、久邇宮朝彦親王の坊官となるが、激動の時代の中、生活のために七宝の未知に入る。後には国内外の博覧会等で高い評価を博した。

 

 本展覧会では下記の6章で構成されていたが、図録が展示リストの順番通りではなく区切りも展示室も分からないので、当日のメモの通りに記します。作品名後の()内は所蔵元です。

1章 並河七宝の始まり

2章 挫折と発展

3章 並河工場画部

4章 明治七宝の系譜

5章 円熟 文様の先へ

6章 到達 表現のあくなき追及


 【鳳凰文食籠】(並河靖之七宝記念館)から見学開始、モノクロームの【下図 「四季花鳥図花瓶」】(中原哲泉作、中原顯二)はモノクロームだが精緻な描写に驚嘆した。

 そしていきなり目に入ってきたのが、自身にとっての並河ベスト作品【四季花鳥図花瓶】(宮内庁三の丸尚蔵館)、≪皇室の名宝(日本の華)≫展での初対面?以来、思い続けていた名品との感激の再会、この喜びは計り知れない。


2階へと上がる

初期の頃の作品には、正直言って後年のような洗練はまだ感じられないが、【若松鶴文合子】(並河靖之七宝記念館)や【龍文香合】(清水三年坂美術館)など、心惹かれる作品は何点もあった。小さいが見事な作品が多かったように思う。

一方で【百花文七宝大皿】(名古屋市博物館)は大きく華やか、これは見たかもしれない。

もう一人の「ナミカワ」こと濤川惣助作【菊花図花瓶(一対)】(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)は、白地が実に美しい上品な逸品だった。


 博覧会で受賞した並河は横浜の横浜ストロン商会と特約を交わし、事業も軌道に乗りかけたが、契約が途中で破棄され、窮地にたたされる。しかし協会側の計らいで東京を訪れ第二回内国勧業博覧会を見学した並河は、少人数による新たな工房体制を整えて再起をはかった。

 以降の発展は目覚ましく、この時期に制作された展示作品は目を楽しませてくれる。

 【菊唐草文花瓶(一対)】(東京国立博物館)、【蝶に花丸唐草文飾壷】(京都国立近代美術館)など、並河らしい作品が続く。煙草入れや香水瓶・小花瓶など小振りの作品は、精緻な造形に驚嘆させられた。


 1889年のパリ万国博覧会で金賞牌、翌年の第三回内国勧業博覧会で妙技一等賞牌など、国内外の博覧会で受賞を重ね商業的にも成功を納めた並河は、京都に邸宅を構える。ここには外国のVIPを訪れた。【芳名帳】(並河靖之七宝記念館)は1892年~1903年と1904年~1930年の2分冊、英国のエドワード皇太子など3000名以上が記載されている。私は並河と対面し敬愛の情を厚くしたエリザ・R・シドモアとハーバード・B・ポンティングの回想録を読み、自身も京都旅行時に足を運んだ。


 高い評価を受ける一方で意匠についての指摘も受け、変化がみられるようになる。

 目の前には絶頂期の作品や下図が並ぶ。アール・ヌーボーや正阿弥勝義の作品が脳裏をよぎった。

 【雀茗荷野菊花瓶】(明治神宮)は落ち着いた緑地が印象的、空間の絶妙な使い方とモティーフの配置に惹かれた。

 一方で、並河作品といえばやはり黒、清水三年坂美術館所蔵の【花鳥図飾壷】【花鳥図花瓶(一対)】【花鳥図飾壷】など、シックな黒地の素晴らしい展示が続いた。


 下図等の作品には、本稿最初に記した中原哲泉(1863年~1942年)の名が何度も登場する。この人は並河工房の工場長で、並河から右腕として重用され、多くの下図を描いた。


1900年のパリ万国博物館を境に、七宝を含めた工芸品の輸出が減少する。並河は勲章制作を請け負ったり、風景の写しを制作しながら、成熟した作風を確立していく。

 しかし、時は確実に変わっていったのだろう。関東大震災の2カ月前の大正12(1923)年7月、並河は工場を閉鎖し、時代が昭和に移った1927年に生涯を閉じた。


 展示のフィナーレを飾る作品も大変素晴らかった。

 並河靖之七宝記念館所蔵の【藤蝶文丸皿】【藤蝶文丸皿】などに惹かれた。同館所蔵の【近江八景堅田落雁角皿】 【近江八景粟津晴嵐角皿】は、青と白の釉薬のみ使用し、グラディエーションで景勝地を見事に表現している。鮮やかな【五重塔風景文花瓶】は背景上部の緑から薄いピンクへのグラディエーションが印象的だった。

【楼閣山水図香炉】(東京国立博物館)は淡茶色の背景に金の植線で山水画を描いている。文字通り、一幅の絵のようだった。

 【桜蝶図平皿】(京都国立近代美術館)は、この作品に初対面した頃、すなわち並河ら帝室技芸員を知り急激に傾倒していった頃が、懐かしく思い出された。

 

ラスト近くに展示されていた【貼り交ぜ屏風】(並河靖之七宝記念館)は、国内外の博覧会で受賞した賞状を貼り交ぜたもの、並河の足跡を伝える貴重な史料として、作品と同様に感銘深く見た。


 見学の途中、休憩を兼ねて館内のカフェで軽くお茶をし、また放映されていた『並河靖之の有線七宝技法(吉村芙子氏監修』を見た。



≪感想≫

 近年魅了されている帝室技芸員の中でも個人的には特に評価している並河靖之の作品を、一度にこれだけ見られた喜びと感激は計り知れない。旅行が事実上不可能となっている現在の自分にとっては、並河靖之七宝記念館や清水三年坂美術館の作品を東京で見られたことは特に嬉しかった。

最大のサプライズはもちろん【四季花鳥図花瓶】との再会、言葉には言い表せない。入口近くに展示されていたので、閉館時間ギリギリまで作品の周りを何度も回り、繰り返し鑑賞した。館を出る時も何回か振り返った。

 本日出会った作品、特に【四季花鳥図花瓶】との再会を、心待ちにしている。

 なお、会場となった「東京都庭園美術館」は最近、テレビ番組で特集された。見どころは随所にあるがこれまでしっかり見て来なかった。次回出向いたら、建物もしっかり見てきたい。


# by nene_rui-morana | 2019-01-07 15:37 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

藝大コレクション展2018

f0148563_17130539.jpg



[副 題] 柴田是真明治宮殿天井画下図修復完成披露



[見学日] 2018年11月8日(木)


[会 場] 東京藝術大学大学美術館



 柴田是真に魅せられて10年近くが経過、某所で表記展覧会のチラシを入手し、お気に入りの漆絵ではないがぜひ見たいと思った。

 例によってなかなか時間がとれず、会期終了間近に何とか足を運んだ。

 日曜日返上が続いたことを天が評価してくれたのか、当日は理想的な秋晴れ、道中の上野の森美術館で開催されている≪フェルメール展≫は長蛇の列だった。



 本日の会場は地下、まず目に入ったのは【群仙図屏風】、ここで曾我蕭白の作品が見られるとは思わなかったので大感激、


 椿椿山作【佐藤一斎像画稿】は、やはり好きなデューラーの肖像画のようにリアルだった。


 展示作品の何点かは過去に見ている。高橋由一作【鮭】(重文)等々、いつ見たかは忘れてしまったが、懐かしい作品との再会に胸がいっぱいになった。

杉山寧は名前だけは記憶がある。光靉は竹橋の東京国立近代美術館で作品を見た。


 【最上川冬景】(真下慶治作)は本日の展示作品の中で特に印象に残った。


 14世紀ころに制作された【水月観音像】は、平成29年にコレクションに加わったという。


 【興福寺十大弟子像心木】は、乾漆造の構造が分かる貴重な史料、天平6(734)年という制作年も分かる。1300年近い歳月の重みが伝わってくる。

 同時代に【月光菩薩坐像】も同様だった。


アッシジのジョット作品に関する平山郁夫の作品も出展されていたが、展示リストに【聖母子像部分】とあるのがそれと思うが、どんな作品だったのか思い出せない。当日のメモには「解説原稿」と書かれている。


 いよいよ本日のメイン、柴田是真作【千草之間天上綴織下図】と感激の対面となる。展示作品は、明治宮殿・千種之間の各天井を彩っていた綴織の下絵と伝えられている。

壁一面に飾られた全51枚の花々、これだけで花の勉強になりそうと感じた。新時代を飾るに相応しい、モダンでおしゃれなデザイン、ミュシャやアールヌーボーの作品が思い出された。全て素敵で甲乙つけがたいが、自分は「鉄線(てっせん)」が特に気に入った。

 「千種の間」写真(三の丸尚蔵館所蔵)や、是真の手控え【写生帖、縮図帖】、是真の真髄が堪能できる【木の葉蒔絵文箱】も展示されていた。


【師承過去帖】は以前見たような気がする。こちらは是真が没した後に子息・命哉が完成させたという。


 大変良い展示でとても感激した。多忙の折、一時は本展覧会の見学を諦めかけていたが、行くことが出来て本当に嬉しかった。

 ひと通り見学した後、屋外に出てワゴンカーで販売していたお弁当で昼食をとり、再び展示室に戻った。館内別フロアーで開催されていた深井隆氏の退任記念展も少し覗いた。


 もっと長く見ていたかったが、本日はこの後に近くの東京都美術館で開催されている≪ムンク展≫を見る予定なので、頃合いを見計らって名残惜しい気持ちを抱きつつ会場をあとにした。



 当日は多忙に老眼の関係で、明治宮殿の歴史やその後について、パネルや図録で確認することができなかった、

 本稿執筆にあたり、地元の図書館で館内に置かれていた書籍を借りて読み、愕然とした。

 今日「明治宮殿」と呼ばれているのは、旧江戸城西の丸御殿跡に皇居として建てられた宮殿のこと、今回見た是真の作品は宮殿内の「千種の間」の格天井にはめこまれていた綴織の下絵である。明治宮殿は太平洋戦争末期の昭和20(1945)年5月、空襲により焼失した。幼少期に周囲の大人から「皇居を避けて空襲は行われた。」と教わったが、実際には皇居も空襲を受けて犠牲者も出ていたことを最近某文献で知った。

 美麗な迫力で絶賛されたという綴織をもう見ることが出来ないことを知り、あらためて、底知れぬ虚しさ、やりきれなさを感じた。終戦までの一年の間に激化した空襲により、多くの貴重な文化財が失われた。明治宮殿、名古屋城、首里城、等々、今日残っていたらどれほど多くの人々に感動を与えてくれただろうか。近世史を専攻していた大学時代の友人は「空襲で寛永寺文書が焼失しなかったら研究に大いに役立ったのに。」と嘆いていた。

 尊い人命と共に、国の至宝を多く失った戦争を二度と起こしてはならないと、あらためて感じた。

  


# by nene_rui-morana | 2019-01-06 10:14 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

皇室の彩(いろどり) 百年前の文化プロジェクト

[副 題] 東京藝術大学創立130年記念特別展


[見学日] 2017年11月17日(金)


[会 場] 東京藝術大学大学美術館

 

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 平成最後の年のスタートは今年最初に行く展覧会にしたかったが、想定外の波乱の年明けとなり、いつになるか予想がつかなくなったため、今年特に注目が集まる皇室ゆかりの展覧会とする。

 表記展覧会はテレビの関連番組で知った。多忙な時期だったが、近年急激に傾倒している帝室技芸員の作品も出展されるというので、ぜひ見ておきたいと思った。

 当日は近くの東博平成館で≪運慶展≫を見た後、途中の珈琲店で小休憩をとり、会場へと向かった。

 東京藝術大学大学美術館で開催された過去の展覧会からは、いずれも並々ならぬ感動を受けている。本日はかなり混雑していて、やっとロッカーを確保した。





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# by nene_rui-morana | 2019-01-05 15:31 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

謹賀新年

 平成最後の元旦を迎えました。

 年末に記したとおり、自分を取り巻く現在の環境は過酷で体調も今いち、苦しい年明けとなりました。冬休み中に読もうと思っていた本もほとんど手つかずに返すことになりそうです。テレビではいい番組が目白押しですが、なかなか見る時間がとれず、ブルーレイの容量がいっぱいにならないかヒヤヒヤしています。

 今年一年、かなり大変そうですが、しかし誰に頼ることもできませんので、美術展等を心の支えに、一歩ずつ進んでいきたいと思います。

 

 あらためまして、本年もよろしくお願いいたします。


# by nene_rui-morana | 2019-01-01 17:29 | 季節の風物詩 | Comments(0)

平成最後の大晦日

 月並みな表現ですが、光陰矢の如し、今年もあと2時間を割りました。

 今年も実にいろいろなことがあり、一言では語れません。

 辛いこと苦しいことは限りありませんが、美術館等で心清らかにしてもらいました。今年は貴重な仏像を都内で多数見ることができ、旅行が困難な自分には嬉しいことでした。しかし例によって、記事のアップは撮りためたテレビ番組の視聴と共に滞る一方です。せめて明治150年関係の展覧会の記事だけでも年内にまとめたかったのですが、実現できませんでした。

 多くの課題を残して冬休みに入ってからも、水回りの工事に始まり、大事なものをなくしたり、本日テレビが壊れて買いに行ったりと、平成最後の年末を味わうには程遠い、せわしなくブルーな中での年越しとなりました。想定外の支出もかさみ、しばらくは緊縮生活です。目先の責務に追われ、休み中に予定していたことはできそうにありません。 

 気が滅入るような内容で締めくくるのはやりきれませんが、遅れに遅れた検査の結果が問題なしだったことを天に感謝し、気持ちも新たに、新たな年、新たな時代に、のぞんでいきたいと思います。

 拙い本稿を読んでいただいた皆様、どうぞ、よいお年を、そして、来年もどうぞよろしくお願いします。

 
# by nene_rui-morana | 2018-12-31 22:25 | 季節の風物詩 | Comments(0)

平成最後の年の暮れ

 気が付けばクリスマスも過ぎ、今年の仕事の明日で最後となりました。来週はもう、平成最後の正月です。

 先週までに大きな仕事が一段落し、先日は休みをとって少しですが年末の用事を済ませました。


 まずは年賀状、枚数はかなり減りましたが、合計80枚を超えました。昨年、昔の上司何人かから「節目の年を迎えたので年賀状は今年までにしたいと思います。」と言われました。この方々の他、もう会えない恩師や親友Chiakiなどを住所録から削除するのは、一抹の寂しさを感じました。今年は父が懇意にしていた方も交通事故で急逝され、心に穴があいたような思いを胸に、作成作業をしていきました。

 会社をしていた我が家では、神棚の掃除と新たなお飾りも暮れの仕事です。若い頃から父を手伝ってきましたが、入院してからは自分一人の役目となり、かなり手際が良くなってきました。お飾り一式は少し前までは、この時期に近所のあちこちで出店し、毎年小学校時代の同級生の実家で買っていましたが、コンビニなどで売るようになった一昨年あたりから全くなくなりました。我が家の神棚のしめ縄は4尺、ひとつ先の駅近くの量販店まで買いに行きましたが、風が強い日で自転車で持って帰るのはかなり大変でした。

 クリスマスの日は残り当番だったのでイブの日にケーキを食べましたが、昨年まで買ってきたケーキ店が知らぬ間に閉店していて唖然、開店直後に叔父が買ってきてくれてから10年たつかたたないかです。

 再開発等で街中の変貌は目覚ましく、今年の暮れに時の移ろいを、いつにも増して実感しました。

 湿っぽい話になってしまいましたが、来年に向け、いろいろ抱負はあります。

 今年は大掃除はキャンセルしちゃいますが、明日の仕事納めはしっかりこなし、休みに入ったら神棚と仏壇の掃除です。


# by nene_rui-morana | 2018-12-27 21:34 | 季節の風物詩 | Comments(0)

明治日本が見た世界~巨大壁画でたどる日本開国史~

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 表記は、聖徳記念絵画館の展示室内に置かれたケースの中等に、以下の6章に分かれて展示されていた。


Ⅰ 異国から見た幕末維新

Ⅱ 岩倉使節団の挑戦と米国に渡った女子留学生たち

Ⅲ 渋沢栄一と日米親善に尽くした実業人たち

Ⅳ 洋画家たちの明治西欧留学

Ⅴ 『坂の上の雲』の主人公たちが見た世界

終 明治神宮の誕生

一部はレプリカ、過去に見た物もあった。絵画同様、こちらも充実した内容だったが、全てを記すことは出来ない。


 【狂斎百狂 どふけ百万編(複製)】は我が河鍋暁斎の作品(国立国会図書館所蔵)、以前お会いしたことのあるクリスチャン・ポラック氏のコレクションからは【テュイルリー宮殿における正装の日本使節団『リュニヴェール・イリュストレ』207号】【パリにおける遣欧使節団肖像(複製)】(リュシー・スタジオ制作)【パリにおける遣欧使節団肖像(複製)】【ル・ジャポン・イリュストレ(幕末日本図会)下巻】などが出展されていた(明治大学図書館所蔵)。

 


 



 以下は全ての展示を見ての感想である。 

全ての展示に大変感銘を受けたが、前日までの仕事が多忙で、館内にロッカーがなく荷物を持っての見学となったため、やや疲れを感じてきた。しっかり勉強してこなかったことも悔やまれた。

名残惜しかったが本日は、次の予定もあるので、後日もう少し勉強て再度訪れることにし、会場をあとにした。

 本稿をまとめるにあたり、当日入手したパンフレットや図書館で借りた関連資料を読み直し、あらためて、もっと念入りに見てこなかったことが悔やまれる。

 特別展には大変貴重な史料が出展されており、期間中に再訪すればよかったと感じている。

 今後また特別展が開催されることがあれば、必ず足を運びたい。特別展の出品についても、入手した資料を参考にそれぞれについて勉強し直し、所蔵元等で再会できることを切望してやまない。

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# by nene_rui-morana | 2018-12-24 21:00 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

聖徳記念絵画館見学

[見学日] 平成30年10月12日(金)


[会 場] 明治神宮外苑 聖徳絵画館



『聖徳絵画館』の名や、各所でしばしば見かける【大政奉還】や【江戸開城談判】が同館所蔵であることを知ったのは、それほど昔のことではない。しかしその存在を知ってから、一度足を運んでみたいと思っていた。

今年は明治維新150年目、記念の特別展も開催されていたので、例によって諸般をやりくりして時間を作った。


自宅からの交通アクセスはいくつもあるが、今回は地下鉄・青山一丁目駅で下り、右手に赤坂御所を見ながら絵画館へと向かった。界隈の木々は色づき始める一方、ゆく春を惜しむような蝉の鳴き声も聞こえた。


本日の昼食は、会場近くにある『外苑うまや』で、市川猿翁(三代目猿之助)さんの楽屋めしを大変美味しくいただいた。

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建物は時代を代表するに相応しい重厚な外観、入口で料金を支払い、期待に胸を膨らませながら内部へと入った。


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エントランスの床や天井、壁が美しかった。

こちらでは『フィラデルフィアと日本』(フィラニッポニカ)というタイトルの協力パネル展示が開催されていた。ペリーが天皇への献上品として持参した蒸気模型車の1/4の模型なども展示されていた。1876年にアメリカ合衆国独立100年を記念してペンシルベニアで開催された万国博覧会には日本も出展、岩崎久彌や津田梅子といった日本人もフィラデルフィアと関わりが深く、同市と日本は友好関係にあるという。

なお、当日のメモには「リチャード・ノリス」の記載があるが、詳細は思い出せない。

 同じく協賛展示『出張明治村』では、糸あやつり人形などが展示されていた。今は昔の訪問が懐かしく思い出された。


奥の部屋には、絵画館の建設の軌跡や完成の写真パネル、(明治天皇の愛馬・金華山の剥製などが展示されていた。当館の竣工は大正15年(1926)年10月22日、2カ月後には時代は昭和へと移る。

地下には、講演や研修で使用する部屋があり、飲み物の自動販売機と休憩コーナーが設置されていた。



 いよいよ、壁画の鑑賞に入る。エントランスをはさんで左右の展示室に、明治天皇・昭憲皇太后の事績を描いた合計80枚の壁画が展示されている。壁画は当時の一流画家によって描かれたもの、それぞれにゆかりの深い団体や個人から奉納された。

 解説をしっかり読みながら全てをじっくり見ていると、文字通り日が暮れてしまう。絵画は常設なので後日再度足を運ぶことを決心し、今回は有名な作品等を中心に鑑賞した。

「歩いてたどる幕末維新」「年表」という当日のメモも、自分で書いていながら、そのような展示があったのか別の意味があったのか、情けないことに思い出せない。 

番号は配布されているパンフレット等のナンバー、作品名の次の()内には作者と奉納者を記してあります。


 5【大政奉還】(邨田丹陵、徳川慶光)の複製を見たことがない日本人は少ないだろう。自分が初めて知ったのは小学校時代の社会科の教科書、その後も書物やテレビ番組・展覧会などで数限りなく目にしてきた。大政奉還150年目の昨年からは、特に各所で眼にする機会が増えたように思う。

日本の封建社会が幕を下ろし近代が始まった歴史的瞬間を描いた有名すぎる作品、しかしこのシーンは実はフィクションであるという。≪二条城展≫に行った際に見た壁画はこの作品とは違ったような記憶があり、確証はないが慶喜は実際には大名を集めて告知はしていないと何かの本に書いてあった。

しかし、それはそれでいいと自分は思う。文句なしに世界的名画であるルーヴル美術館の代表作、ダヴィッドの【ナポレオンの戴冠】にも、実際には列席していない母レティシアの姿など事実とは違う人物や内容が描かれている。

 多くの日本人に親しまれている作品を節目の年にこの目で見られた喜びを大切にしたい。


11【各国公使召見】(広島晃甫、伊達宗彰)は、オランダ公使ポルスブルックと天皇との対面を描いたもの、有名なリーズデイル卿ミッドフォードもこの時、イギリス公使ハリー・パークスの随員として天皇に謁見している。


13【江戸開城談判】(結城素明、西郷吉之助と勝精)は、5と並んで昨年来特に多く各所で紹介され、良く知られている作品だろう。こちらの感想も5と同じ、完成は昭和10(1925)年とのことだった。


 ≪近代日本を支えたお雇い外国人列人≫として、何箇所かに分かれて、カッティンディーケ、キヨッソーネ、ロエスレルなどお馴染みの面々が紹介されていた。エドモンド・モレルは、横浜の外国人墓地を訪れた時にその名を聞いた記憶がある。ブリュナは富岡製糸場設立に尽力した。


 27【習志野之原演習行幸】(小山栄達、西郷従達)の舞台は現在の陸上自衛隊習志野駐屯地だろう。自分が子どもの頃、父はここの仕事を請け負ったことがあった。


31【徳川邸行幸】(木村武山、徳川圀順)は明治8(1875)年の22歳の天皇を描いたもの、舞台は桜満開の水戸徳川家・小梅邸、当主は傍らの徳川昭武(慶喜の異母弟)、天皇より一歳年下で、気安く会話が交わされたであろうことが想像される。

徳川邸に入る天皇の写真も展示されていた。この屋敷は惜しくも関東大震災で全焼し、現在は隅田公園となっている。『明治天皇歌碑』がこの作品が描かれたのと同じ昭和5(1930)年に園内に建立された。春に訪れるとすぐ近くの隅田川河畔の桜・東京スカイツリー・勝海舟像のコラボが楽しめる。


南北戦争で北軍総司令官をつとめ、アメリカ合衆国第18代大統領となったユリシーズ・グラントは、退任後の世界旅行中に日本を訪れ、浜離宮で天皇と会談した。41【グラント将軍と御対話】の奉納者はこの時の接待役代表だった渋沢栄一、彼が設立した東京商工会議所は47【岩倉邸行幸】(北蓮蔵)を奉納している。


華族女学校設立時の昭憲皇太后の訪問を描いた48【華族女学校行啓】はレプリカを見たことがある。奉納者は同校のOG団体・常磐会、現在も続いている。作者・跡見泰はその名のとおり、跡見女学校創設者・跡見花蹊の甥にあたる。



感想は次稿の特別展にまとめて記します。

 


# by nene_rui-morana | 2018-12-22 16:26 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

鑑賞した展覧会 2018

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# by nene_rui-morana | 2018-12-15 20:50 | 記事作成中(近日中アップ予定) | Comments(0)

ささやかな贅沢


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 今年も、ボジョレーヌーボーが解禁となりました。

 以前は自分には全く関係ないことでしたが、加齢により寝つきが悪くなった数年前から、楽しみになりました。

 先日はコンビニで赤を買って賞味、本日は飲む機会が少ない白を買いました。
 通常は寝がけの御供はコンビニの安いペットボトルのワイン、自分へのご褒美に少し奮発しました。

 カテゴリはやや無理がありますが、このニュースを見聞すると、今年も残り少ないことを感じます。

 平成最後となるボジョレーヌーボーのコルクと瓶は、記念にとっておこうかと思っています。


# by nene_rui-morana | 2018-11-26 15:49 | 季節の風物詩 | Comments(0)

名工の明治

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  [副 題] 工芸館開館40周年記念所蔵作品展  [見学日] 2018年3月27日(火)


  [会 場] 東京国立近代美術館工芸館



 2018年の桜の季節には、北の丸公園界隈で注目の展覧会がいくつも開催された。

 本展覧会の情報は新聞で知る。年度末のとりわけ多忙な時期だが、本展覧会では見る機会の少ない名品が公開されるようなので、諸般をやりくりして時間をつくり、お花見も兼ねて足を運んだ。

 特別公開されていた皇居乾通りや北の丸公園の桜を見た後、かなり疲れた足を引きずって会場へと向かう。

 会場は旧近衛師団司令部庁舎、自分の中学高校はここより近い場所にあったので、遠目から何度も目にしていたが、建物内に入るのは今回が初めてだった。

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Ⅰ.明治の技の最高峰-帝室技芸員

 スタートから明治技芸員の作品が見られて感激、高浮彫からアール・ヌーボー風まで展示は多彩、小さな作品もあったが煌びやかで見事な造形に魅了された。

板谷波山、初代宮川香山、香川勝広の作品は複数の他所で見ている。

 海野清作【彩金三ノ鼓並雲鶴紋打敷】【和琴 琵琶 笙並袋 毛彫銀板台】に注目、先述の波山の息子とのことだった。



Ⅱ.明治の名工-鈴木長吉と≪十二の鷹≫

 本展覧会の目玉、鈴木長吉の【十二の鷹】のが展示されている。もちろん触れないが、ガラスケースではなく触れる位置で鑑賞することが出来て非常に嬉しかった。羽の質感、様々なポーズ、一羽一羽に魂が宿っているようだった。

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 本作品は明治26(1893)年に開催されたシカゴ・コロンブス世界博覧会で発表され、絶賛を浴びた。それから125年、修復を終えて今回、お披露目が実現した。

 昔の写真、見どころのパネル、X線写真なども展示されていた。



Ⅲ.技の展開と新風

 聞いた名、初めて知る名、本章の展示にも見事な造形に魅せられた。作者の香取秀真や六角紫水は、1925年に設立された「工芸済々会」のメンバーとのこと、この団体について調べてみたが残念ながら詳しいことは分からなかった。

 平田郷平作【桜梅の少将】はそこに立っているようだった。

 平松宏春作【金具 白狐】は緻密な毛並の表現を拡大鏡でじっくり鑑賞した。

 本章にも海野清や板谷波山の作品が展示されていた。


 

Ⅳ.技と護る・受け継ぐ-戦後の工芸保護政策と、今日の技と表現

 本章に展示されているのは太平洋戦争期から今世紀初めまでに制作された作品、作者は知らない人が多いが、技は間違いなく継承されていることを実感した。展示作品と作者の中から、間違いなく将来、重文や人間国宝が誕生するだろう。

個人的には、松田権六作【蒔絵螺鈿有識文飾箱】、秋山逸生作【輪花文縞黒檀印箱】、飯塚琅玕斎作【花籃 あんこう】、勝城蒼鳳作【波千鳥編盛籃 溪流】などに注目した。

 多くの逸品に囲まれて、心穏やかな気分になった。



<感想>

 若き日は身近な施設でありながら、今日まで中に入ることがなかった当館、今回の企画は規模は大きくはないが明治150年の今年に相応しい素晴らしいものだった。最近は多くの展覧会で制限つきで許されているが、本展覧会でも展示の写真撮影が許された。撮影できた作品数は国内ではこれまでの最高かもしれない(しかし、あまり綺麗に写せなかったのでアップする写真は限定した)。

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 展覧会は非常に満足のいくものだったが、同時に要望も覚えた。一つは開催者へ、展示目録の作品名には展示作品と同じ番号をふっていただきたい(当日自分で書き込んだが老眼の身にはしんどい)。もう一つは本ブログの環境について、自分は概ね満足しているが、動画を貼り付けられるようにしてほしい。今後展覧会で作品が撮影できる機会が増えれば、スライドショーをアップしたい。

 なお、関連サイトで確認したが、近い将来に当館の多くの作品と機能が金沢に移転するとのこと、寂しい気もするが、移転前に再び展覧会が開催されるなら足を運び、金沢での再会に夢を託したい。


# by nene_rui-morana | 2018-11-06 19:59 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

驚異の超絶技巧!

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[副 題] 明治工芸から現代アートへ


[会 期] 2017年9月16日(土)~12月3日(日)


[会 場] 三井記念美術館


 


帝室技芸員を知って以来、近代日本の超絶技巧に魅了されている私、表記展覧会を見逃すわけにはいかない。

 会場へ向かう道中にも期待と興奮で胸が高鳴った。

 三井記念美術館へは何度か訪れている。江戸が感じられる日本橋という立地も気に入っている。


  ※作品名の後の()内は所有者、無記入のものは個人所蔵です。現代作家の作品については作者名の前にMを付記させていただきました。



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# by nene_rui-morana | 2018-10-24 21:27 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

和モダンの世界 近代の輸出工芸

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[副 題] 金子皓彦コレクションを中心に


[見学日] 平成29年12月22日(金)


[会 場] たばこと塩の博物館


 『たばこと塩の博物館』が東京スカイツリーに程近い墨田区横川に移転してから、何度か展覧会に足を運んだ。感銘を受けた企画展もあったが、恥ずかしながら多くの記事をアップできないまま今日に至っている。

 しかし、幕末以降に輸出された超絶技巧作品を紹介する表記展覧会は、明治150年の今年中にまとめたいと思った。

 展示作品の多くは以前に渋谷で見ていると思うが、今回も大きな感銘を受けた。



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# by nene_rui-morana | 2018-10-14 10:00 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

メアリー・カサット展

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[副 題] 印象派を代表する女性画家。[会 期] 2016年9月3日(土) [会 場] 横浜美術館


 印象派の展覧会は都内や隣接県では毎年のように開催されているが、女流画家が主役となる企画は多くない。初来日の作品も見られるというので、会場はやや遠いが足を運ぶことにした。

 会場に入ってまず目に入ったのは、主催者の挨拶パネルと1914年撮影のカサットの写真、メアリー・カサット(1844年~1926年)はピッツバーグ郊外の裕福な家庭に生まれ、画家を目指して21歳の時にパリに渡った。

 ※作品名後の()内は所蔵者、未記入は個人所蔵品です。



Ⅰ.画家としての出発

 スタートは1873年に制作された【バルコニーにて】(フィラデルティア美術館)、本展覧会を特集したテレビ番組でも紹介された。

【若い娘の頭部】(ボストン美術館)、【赤い帽子の女性】(ジェラルド&キャサリン・ピーターズ夫妻協力)と展示が続く。

 日本で江戸時代が終焉した1867年頃に撮影された肖像写真も展示されていた。



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# by nene_rui-morana | 2018-10-13 15:23 | 展覧会・美術展(西洋編) | Comments(0)

前島密 生涯とその業績 展

[副 題] 前島密生誕180年&郵便貯金140年


[会 期] 平成27年4月11日(土)~6月21(日)


[会 場] 郵政博物館



東京スカイツリータウン内に移転した<郵政博物館>で、平成27(2015)年に近代日本の郵便の父・前島密生誕180年と郵便貯金140年を企画する展覧会が開催された。

 開催期間中にスカイツリータウンに行く機会があったので、立ち寄ってみた。2回行ったが、レポは一括でまとめます。

会場では、パネル「前島一代記」で前島の生涯を紹介したほか、写真や肖像画・墨跡その他ゆかりの品々が展示されていたような気がします。しかし、見学から長期間が経過し記憶が曖昧となり、展示リスト等も配布されたなかったため、展示内容が思い出せません。よって本稿は、当日のわずかなメモから前島の生涯を追ってみたいと思います。



 私が前島密の名を知ったのは小学校3年か4年の時、国語の教科書に郵便事業を紹介した内容が掲載されていて、イギリスのローランド・ヒルと共に記憶に刻まれた。

 高校3年の日本史の授業では「今ではあまり出回っていないが、1円切手に前島密の肖像画が使われている。」と先生に教わった。

 それから久しく、その生涯等に触れることはなかったが、今回貴重な機会に恵まれた。なお、平成の世になってから消費税の導入で1円切手は再び世の中に出回ることになった。



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# by nene_rui-morana | 2018-10-04 22:24 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

花燃ゆ

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[副 題] 2015年NHK大河ドラマ特別展


[見学日] 2015年7月20日(月祝)


[会 場] 江戸東京博物館・1階特別展示室



 2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』は、視聴率は高くなかったが、しっかりした時代考証に基づいた良い番組だったが、実は自分はほとんど見ていなかった。

 しかし、ここ数年は恒例となっている江戸東京博物館での特別展には赴いた。



プロローグ「文の育った萩」

スタートは明治初年に撮影された【萩城天守閣写真】のパネル、所蔵は山口県文書館、山口に行った時に見たどうかは記憶がない。以後、現地の博物館が所蔵する資料は同様、歳月の経過はいかんともしがたい。萩城は明治4(1871)年に解体された。

 【防長両国絵図屏風】(萩博物館)には、近代の足音が感じられる。

 【萩城下町絵図屏風】(萩博物館)を見て、松下村塾や志士たちの家の場所が知りたいと思った

 【行程記 登り一・二】(山口県文書館)は、太田記念美術館等で見た菱川師宣の【東海道分間地図】が思い起こされた。師宣の街道マップは普通の和紙に墨で描かれていたが、こちらはカラフルで紙質も良い。

 その後は、敬親を含めた毛利家関係の展示が続く。【毛利公御代々御画像】(山口県立山口博物館)はレンブラントなどが描いたオランダの集団肖像画が思い出された。



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# by nene_rui-morana | 2018-10-01 13:32 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

彼岸の中日

 23日は秋分の日、非番の日曜日でしので、菩提寺に行きました。

 父が亡くなってから、お寺に行くことが増えましたが、春と秋の彼岸は特に感じるものがあります。墓所は季節の花で彩られ、目を楽しませてくれます。同じく先祖を思う方々と墓に参ると、余裕のない日常生活に疲れ気味の心身が少し癒される気がします。

 いささか不純ですが、菩提寺では美しい昼食と御茶を出して下さるのも楽しみです。

 行きは少し雨に降られましたが、晴れ男だった父の面目か、読経が終わって塔婆をあげる時には晴れていました。


 秋雨前線の活動が活発ですが、昨日も午後は晴れて、見事な中秋の名月が見られました。

 本年度も半分が過ぎ、来週から第3四半期に入ります。


# by nene_rui-morana | 2018-09-25 21:20 | 季節の風物詩 | Comments(0)

特別展 平安の秘仏

[副 題] 滋賀・檪野寺(らくやじ)の大観音とみほとけたち


[会 期] 2016年9月13日~12月11日


[会 場] 東京国立博物館・本館特別5室



副題のとおり、表記展覧会は滋賀県甲賀市にある天台宗の古刹・檪野寺(らくやじ)の仏像が一堂に会したもの、展示作品は全て重要文化財に指定されている。

檪野寺に行かれる可能性はほぼ皆無なので、貴重なこの機会に珠玉の仏像をぜひ見ておこうと思った。


 会場に入ると、前面はすぐ壁となっていて、写真に囲まれながら中へと進んだ。

出展作品は同名が多いので、作品名の前に会場で配布された出品目録の番号を記します。例によって長時間が経過したため、細部に記憶違いがあると思いますが、ご了解ください。



 1【十一面観音菩薩坐像】は3メートル以上ある。頭上面のパネルに解説が書かれていたと当日のメモにある。重文に指定された十一面観音坐像としては日本最大、下ぶくれの顔と均整のとれた体型が美しい。


2【毘沙門天立像】は好きなタイプの作品、ずんぐりとした体形の素朴で愛嬌のある彫像だが、造形は見事である。全身に虫食いが見られた。ベルト?や衣装のデザインは印象的、顔のあたりは木目をよく活かしている。

似た彫像をどこかで見た記憶がある。顔の真正面から見ると、左上顔部が隠れるポーズがキマっている。


 4【吉祥天立像】は、国宝画・薬師寺の【吉祥天像】とはかなり違うが、かつての華麗な彩色の装飾の名残りがある。両手先に破損があり素朴だが、心打つ。


 6【観音菩薩立像】には鑿(ノミ)の跡があり、足指も彫られていないので、未完とも言われている。しかし、表現に荒々しい鑿跡を残す鉈彫(なたぼり)という技法との説が有力らしい。穏やかな表情の顔が印象的だった。


 7【観音菩薩立像】はやや険しい目つきの作品、木目をよく活かしている。


 9【薬師如来坐像】は新薬師寺寺の同名像に似ている。衣にしのぎ立った襞を交えている、これは後述の16【地蔵菩薩立像】もみられる。


12、13【観音菩薩立像】2つの観音菩薩も、木目をよく活かしている。


 16【地蔵菩薩坐像】は2【毘沙門天立像】と共に今回特に魅了された作品、金箔が眩く、首飾り?も華麗、指先の表情が素晴らしい。光背も制作当時のものだが、この類を見るのは初めてかもしれない。像内には文治3(1187)年の墨書銘があるが、パネルを展示してほしかった。


 18【地蔵菩薩立像】は衣の襞をほとんど刻まず彩色で表現している。本作品のように動きが少なく控えめな表現の仏像の中には、本地仏があるという。


 19【吉祥天立像】は妊婦のようにお腹がふっくらしている。


 20【吉祥天立像】は、6【観音菩薩立像】と同じく意図的に鑿目を残した鉈彫表現の作品、19【吉祥天立像】とは全く違った。



 今回は、通常は厨子に安置され秘仏となっている本尊【十一面観音菩薩坐像】を含め、貴重な諸像を一度に見ることができた。未知の「甲賀様式」を知ることもできた。

会場はそれほど広くないので、室内を何度も廻り、いろいろな角度から繰り返し鑑賞した。

 檪野寺行かれないとは思うが、再会の夢は持ち続けていきたい。


# by nene_rui-morana | 2018-09-15 19:20 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

着想のマエストロ 乾山見参! 後期

[会期] 2015年6月24日(水)~7月20日(日祝)

[会場] サントリー美術館


 多忙の折、表記展覧会に行くべきか迷ったが、尾形乾山を主役に据えた展覧会が開催される機会は少なそうなので、足を運ぶことにした。

 会場内には、乾山の年譜等も紹介されていた。

 尾形光琳・乾山兄弟の実家が京都の大呉服商・雁金屋だったことは有名、乾山(1663年~1743年)の幼名は「権平」「寛三郎」で改名後の名が「深省」であることは今回知った。光琳の幼名は「市之丞」だという。

 派手好きで放蕩者だった兄とは対照的に地味で真面目な性格だった乾山は、仁和寺の南で禅や学問に励み、この近くに住んでいた野々村仁清に陶芸を学んだ

 ※作品名の()内は所蔵者、無記入は当館所蔵です




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# by nene_rui-morana | 2018-09-01 19:13 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

浮世絵師のコラボレーション空間(ロバート・キャンベル氏講演会)

先述したとおり、静嘉堂文庫美術館での小林忠先生の講演会が聴講できなかったので、ロバート・キャンベル先生の講演は何としても拝聴したかった。念願かなった喜びは計り知れない。

 当日の3月10日は土曜日、現在の自分はスパン勤務で定期的に土日祝祭日出勤があるが、幸いこの日は休みがとれた。奇しくもこの日は、東京の下町一帯が焦土と化した東京大空襲から73年目、江戸の文化を堪能できる平和な時代の意義を痛感する。


 午後1時15分より整理番号順に入場したが、私は貰った番号が後の方だったので会場内にはもう席が少なく、わずかに空いていた後方に着席した。


 1時30分より講演開始、数多くのテレビ出演などで人気を博している東京大学名誉教授・キャンベル先生の優しく親しみのある語り口に、参加者は熱心に聴き入っていた。

 自分も直にお話を聴くことができ、感激した。しかし、悲しいかな、年度の切り替えの慌ただしさでで早期に感想をまとめることができず、その後今日までの忙しさも尋常ではなく、細部の記憶が薄れてしまっている。よって以下の記述には記憶違いもあると思いますが、ご了承ください。


 キャンベル先生は、本展覧会の主役・国貞や、葛飾北斎など、浮世絵師について語られた。浮世絵が大変お好きということで、大学者と価値観を共有できていることを嬉しく思った。


 講演では、「浮世絵師が身を置いた不特定多数の人がいる空間」として、書画会について特に熱く語られた。

 1792年の万八楼の書画会、式亭三馬や歌川豊広が参画した1802年の 川楼の書画会などについて触れられた。

 当日のメモには「画帖 扇面の儀、かたく...」「三浦派」といった記録があるが、恥ずかしながら内容が思い出せない。

1811年3月12日の中村楼での式亭三馬の書画会には、前日より山東京山や摺師・版元ら多くの人が会場に集まっていたという。既にデビューしていた26歳の国貞も師匠・初代豊国と共に世話役をつとめている。余談だが、この中村楼は両国にあり、国貞には馴染みの料亭となったようで、後に彼の古稀の書画会も開催された。写真も残っている。

浮世絵師はこのような共同社会に身を置いていたとキャンベル先生は語られていたように思う。

書画会の準備に要した時間、連絡役などに子どもを使う、実際に会場に足を運ぶ、これらが貴重な副産物を生んだと話された。

個人的には、河鍋暁斎が書画会の様子を描いた作品に大きな感銘を受けている。多くの人が集い、会場の熱気が伝わってくるようで、国貞作・中村座の楽屋絵と共通するものを感じる。

今回、キャンベル先生のお話を聴いて、より関心が高まった。私の住む地には江戸時代、番付の上位にランクインする料亭が何軒もあり、そこで当時の人気浮世絵師が書画会を開いたことは充分考えられる。今後は浮世絵とあわせて、書画会にも注目していきたい。


上記の他、幕末~明治初期に日本を訪れた外国人についても語られた。

 西郷隆盛の肖像を描いたことで知られるキヨソーネは、ジェノバに書物を1000点以上持ち帰ったという。内容は娯楽用の絵本や実用の絵手本とのことだった。

 他に、暁斎の弟子でもある建築家コンドル、お雇い外国人チェンバレンなどについて話された。

、『Dr.クロワッサン』と中野三敏氏についても触れられたようだが、こちらの内容は思い出さない。


 世界最古の美術雑誌『国華』についても語られた。現在の主管は小林忠先生、本展覧会の後、上野で特別展が開催された。


 キャンベル先生の講演が終わった後、当館・河野元昭館長が登壇され、定刻終了まで共に語られた。今回展示された当館所蔵の国貞作品を紹介した図録『歌川国貞』は既に品切れとのこと、国貞ファンになって間もない頃に当館で開催された展覧会を見に来て購入しておいて本当によかった。


 全て終了した後に、わずかながら先生とお話することができて、とても感激した。

 この後にも、各所で精力的に講演活動をこなされている先生、いつか再びお目にかかれる日が訪れることを切望してやまない。



# by nene_rui-morana | 2018-08-25 21:54 | 講演会・講座(含 回想) | Comments(0)

歌川国貞展 後期

[副 題] 錦絵に見る江戸の粋な仲間たち


[見学日] 平成30年3月10日(土)


[会 場] 静嘉堂文庫美術館



 表記展覧会はもちろん前後期見るつもりだった。

先述のとおり、前期開催中に実施された小林忠先生の講演会を聴き逃してしまったので、ロバート・キャンベル先生のお話は何としても聴講したいと思い、必死で時間を確保した。

しかし、超有名な先生なので早くに定員に達することが予想され、会場は自宅からはやや遠いので早めに行って整理券を確保することも困難、当日はやや不安を感じながら二子玉川駅で昼食を済ませた後にバスで会場へと向かった。

案の定、入口には「定員に達しました」の貼り紙、大いに失望しつつ建物へと向かう。

チケット購入時にダメもとで聞いてみたら「まだ受付しています」との返事、まさに地獄から天国へ駆け上がった気持ちだった。最後まで諦めない、しっかり確認する、座右の銘として心に刻んでおきたい。

講演をはさんで、夢の国貞ワールドを心ゆくまで堪能した。



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# by nene_rui-morana | 2018-08-24 22:46 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

歌川国貞展 前期

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[副 題]

   錦絵に見る江戸の粋な仲間たち


[見学日] 平成30年2月4日(日)


[会 場] 静嘉堂文庫美術館



 表記展覧会を自分が前後期共に見ずに済むわけはない。例によって必死にスケジュールを調整した。



 チケットを購入し、ロッカーに荷物を預け映像を見ながら小休止した後、歌川派略年譜を見つつ会場に入る。


 スタートは【今様見立士農工商 職人】、色が非常に鮮やか、【今様見立士農工商 商人】と合わせて見た。後者の左襖には下谷の錦絵問屋・魚屋栄吉の新刊宣伝ポスターが大きく描かれ、看板に見られる国貞は二代目、彫師は名工と名高い「横川彫竹」である。


 【江戸花見たて六歌仙】は多分初見だと思う。



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# by nene_rui-morana | 2018-08-19 15:07 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

生誕150年 横山大観展 前期

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  [見学日] 2018年5月5日(土祝)   [会 場] 東京国立近代美術館


 明治維新150年目の今年は、見応えありそうな展覧会が目白押し、【生々流転】全巻が見られる表記観覧会も見逃すわけにはいかない。

当日は東京都写真美術館の特別展を見た後、JRと地下鉄を乗り継いで会場へと向かった。

作品名後の()内は所蔵者です



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# by nene_rui-morana | 2018-08-18 17:23 | 明治維新150年関係 | Comments(0)

西郷どん・後期 1

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[副 題] NHK大河ドラマ特別展  [見学日] 平成30年6月29日(金)  [会 場] 東京藝術大学大学院美術館



 大河ドラマの特別展は江戸東京博物館で開催されるのが恒例だが、現在は1階展示室が改装工事中のためか、今年は表記会場となった。

 今年は明治維新150年で幕末・維新期が注目されており、様々な企画が目白押し、表記展覧会は大学の後輩が送ってくれた割引券を利用して鑑賞した。

当日は直前の休日出勤の代休をとった。近くの喫茶店で小休止し水分を摂り、会場に向かった。



 まずはB2Fに移動し、映像コーナーで≪西郷どん 英雄への道 青春篇・怒涛篇≫を見た後、展示会場へと入った。

作品後の()内は所蔵を記しています



プロローグ

 スタートは【西郷隆盛肖像画】(個人)、【薩摩潟】(鹿児島県歴史資料センター黎明館、以後「黎明館」と略)の制作は明治28(1895)年、大正3(1914)年に桜島の噴火で大隅半島と陸続きになる以前の時代を伝えている。

 【琉球御召舟之図】(鹿児島県市立美術館)は徳川家茂の将軍就任を祝う船団を描いたもの、居並ぶ大艦隊に圧倒された。

 西郷の関わる人物の相関図も展示されていた。そうそうたる面々に時代のスケールを感じる。

 【薩摩琵琶 銘 木枯】(個人)はシンプルな造形だが格調高い逸品、西郷が演奏を聴いたとも言われている。



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# by nene_rui-morana | 2018-07-29 11:50 | 明治維新150年関係 | Comments(0)