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趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。
by nene_rui-morana
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<  2012年 02月   >
  • 絵で楽しむ忠臣蔵
    [ 2012-02-08 14:40 ]
  • 歴史の中の龍
    [ 2012-02-07 10:32 ]
  • 平清盛
    [ 2012-02-04 20:20 ]
絵で楽しむ忠臣蔵
 正月2日、江戸博5階の企画展示室は二つのコーナーに分けられ、先記の龍の企画展と表記展覧会とが開催されていた。
 暮れに平木浮世絵美術館で見た同内容の展覧会が大変良かったので、国貞作品を多数所蔵する本館の展示も楽しみにしていた。

●第一章 物語に魅せられて
 第一章はもっとも展示のボリュームがあり、≪仮名手本忠臣蔵≫に江戸の庶民がどれほど熱狂したのかがうかがえた。
 まず目に入ったのは、壁面に展示された落合芳幾の【仮名手本忠臣蔵】、大序から大尾まで全13枚の力作である。
 振り向くと展示ケースの中には我が歌川国貞の作品、相変わらず役者の個性や衣装の表現に関しては自分の拙い文章力ではとても伝えられない。特に【瀬川菊之丞のニ役早替り おかる勘平 中村芝翫の一文字屋才兵衛】は素晴らしいと思った。
 並んで展示されている歌川国芳画は四人の人物が描かれていた。
 その後も次々と国貞作品が目に入り大感激、国貞は間違いなく忠臣蔵の代表絵師といえるだろう。【忠臣蔵夜討の図】には手前の人物が持つ太鼓に「命依義軽」と書かれている。このような細かい表現も心憎い。
 【義士両国橋退去図】は、壮大な構図から一目で歌川貞秀作と分かる。本日、国貞・貞秀師弟の競作を見られたのも大変嬉しかった。

●第二章 ヒーローたちに憧れて
 表記タイトルなら主役が国芳作品であることに意義をはさむ余地はないだろう。中央ケースに展示されているのは【誠忠義士伝】、動きのある構図に魅せられる。【誠忠義臣名々鏡】のコマ絵は国芳の長女と次女が描いたと言われている。北斎の娘・応為と同様、偉大な父の血はしっかりと娘にも受け継がれたのである。
 このコーナーでは、同タイトルの【誠忠義士伝】を国貞・国芳の兄弟弟子の競演で見比べて楽しんだ。壁には弘化~嘉永年間に描かれた国芳作品、手前のケースには国貞晩年の作品、一部タイトルが異なっていた。
 国貞・国芳ともに、最近の自分にとっては極めて重要な絵師、その意味ではこのコーナーはまさに夢の競演で、感激もひとしおだった。


●第三章 パロディを玩味して
 最終章のタイトルも私好み、残念ながら先日の展覧会でノックアウトされた歌川広重の【見立滑稽忠臣蔵】は出展されていなかったが、興味をそそられる作品が数多くあった。
 【後姿忠臣蔵絵巻】はタイトルのとおり、登場人物は後姿であったり、袖などで顔を覆っている。
 【東都高輪泉岳寺開帳群衆之図】は、駕籠の猪人形や、水引暖簾の雁木模様などに、細やかな遊び心が感じられる。
 【忠臣蔵見立人形】は素材を忠臣蔵に見立てた<寄せ絵>(異り絵、変わり絵ともよばれる)、謎解きとしてもとても楽しい。
 他の展覧会でも見かけた八世市川団十郎の死絵が此処でも出展されていた(バージョンは別)。
 大トリを飾るのは、豊洲でも展示されていた国貞の【絵兄弟忠臣蔵】、この作品は国貞の代表作だそうで、再び見られて大変嬉しかった。四段目は前垂れの裾に<佐乃喜>と書かれているが、これは版元・佐野屋喜兵衛をもじったもの、このような国貞の趣向がたまらない。今回でさらに、国貞が大好きになってしまった。


 暮れの平木浮世絵美術館に続き、浮世絵にとっては重要なテーマである忠臣蔵の展覧会を江戸博でも見ることができて、触発されたことも多く、自分にとっては未来につながる貴重な経験となった。国貞や国芳ら御贔屓絵師の作品を堪能し、新たな魅力を発見し、探究心を掻き立てられた。今後も同様な展覧会が開催されたら、ぜひ足を運びたい。
 本企画展は12月から始まり、前後期で展示が変わったことを会場で知る。事前に分かっていれば前期も足を運んだのに、残念だった。

 当日は正月の臨時開館日ということで、常設展示室は観覧料無料、館内では≪えどはくでお正月!2012≫と題して様々な企画が催されていた。
 自分の滞在時にすべてが行われてはいなかったが、えどはく寄席、邦楽演奏、クロスワードパズル、絵はがきプレゼント、企画関連ワークショップでの「組上絵であそんでみよう」、等等、楽しそうな内容が目白押しだった。また江戸町人や鹿鳴館風のコスチューム姿の人が展示室内を歩いて来館者の記念撮影に応じていた。
 当日私は予想外に当館の滞在時間が長引き、この後に考えていた上野に行かれず国立博物館の正月イベントが体験できなくなったため、「今日はあちらに行けばよかったかな。」と少々後悔もしたが、宝船の絵をいただいたり本日ならではの催しを体験できたので、やはり来てよかったと思った。
by nene_rui-morana | 2012-02-08 14:40 | 展覧会・美術展(日本編) | Trackback | Comments(1)
歴史の中の龍
 平成24年の干支・辰にちなみ、江戸東京博物館5階の企画展示室では昨年末から龍の企画展が開かれていた。我が歌川国貞の作品も展示されているようなので見ておきたいと思い、正月2日、1階の特別展を見学した後に常設展スペースへと移動した。
 龍は日本人が畏れ、一方で憧れ親しんできた仮想の霊獣、展示室にはこの龍をかたどった武具や工芸品、また龍についてかかれた典籍や錦絵などが展示されていた。


●第1章 干支のなかの「龍」
 展示のスタートは【七福神宝船の図】(歌川芳虎画)、宝船の舳先は龍、上部に廻文<なかきよの とをのねふりの みなめさめ なみのりふねの をとのよきかな>が書かれている。
 続く国芳の【十二支見立て職人づくし】では、龍は玉師(あい玉づくり)として描かれていた。
 他には、和時計や年代記などが展示されていた。


●第2章 龍の力
 第2章には、龍を描いた絵草子類や、龍が持つとされる力にあやかった品々が展示されていた。
 ケースの中に国貞の【竜王太郎英雄譚・巻七】が展示されていて大感激した(署名は豊国)。
 一方、水の神・龍がモチーフとされた代表格は火消し関係の品々、【龍吐水】の他、龍の刺繍がされた火事装束などが出展、実際の火消し装束もあったが時代が下ったものは着て楽しむのが目的だった。
 火消しの姿を描いた浮世絵もあり、芳虎の【江戸の花子供遊びのうち 一番よ組】の人物は龍の刺青をしていた。国貞の【臥煙もの 四世市村家橘】は本日最も心に残った作品、やはり刺青をした火消人足は定火消に属するという。併せて描かれた纏・提灯・龍吐水とのコンビネーションも絶妙、国貞の真髄が堪能できる珠玉の逸品、この絵の前に何度も足を運び繰り返し見入った。
 異色の展示としては薬の看板と包紙、【登龍丸】や今日にも伝わる【龍角散】の看板が出展されていた。このジャンルも作品のデザインも個人的には気に入った。
 他には武具類や龍頭などを展示、倶利伽羅竜王の前立てなど非常に凝った作りだった。


●第3章 干支のなかの「龍」
 第3章の展示は龍がデザインされたグッズ類、たばこ入れ、印籠、櫛、笄、等等、龍文は江戸の人々に愛された。お馴染みの龍虎をあしらったものも見られた。
 他には反物や長襦袢、さらには「龍」の字凧も展示されていた。


 本企画展は、今年のスタートを飾るに相応しい内容だったと思う。龍ゆかりの品々はどれも見応えがあり、江戸の粋が感じられた。国貞や国芳の作品が見られたのは特に嬉しかった。
 自分は参加しなかったが、この日と翌3日は<辰年書初め体験>やパフォーマンス書道などの正月イベントも催された。
by nene_rui-morana | 2012-02-07 10:32 | 展覧会・美術展(日本編) | Trackback | Comments(0)
平清盛
[副 題] NHK大河ドラマ五〇年特別展

[見学日] 平成24年1月2日(月)

[会 場] 江戸東京博物館


 最近は多くの博物館が正月二日から開館しているが、江戸東京博物館もその一つ、表記特別展は告知された時から見たいと思っていたので、様々な正月イベントが催される新年初開館日に訪問し、平成24年展覧会見学のスタートを切った。
 会場内はなかなかの盛況だった。


 厳島神社の鳥居の写真に迎えられて会場内に入る。
 日本史に興味を持ち始めた幼き頃、夢中になっていたのが源平合戦の時代、平清盛よりは少し後の時代となるが歴史小説や関連書もずいぶん読み、高校の史学部でもこの時代を研究した。したがって、清盛その人直接ではないが彼の時代にはそれなりに取り組んできたので、清盛の関しては人並みの知識はあると思っている。
 実際に本特別展からは、かつて追求してきた内容を実史料で再確認できたという感想を得た。また、随所に当時の様子を現代の新聞風にまとめた【平氏ニュース】が展示されていて、こちらはこれから歴史を学ぼうとする小中学生等にとっても良い指南になったと思う。


●第一章 平氏隆盛の足跡
 第一章は、清盛の一生と平家の盛衰を駆け足で伝えていた。
 特に心に残ったのは【平清盛請文(武家手鑑)】(重文)、清盛自筆書状にはやはり注目させられる。【後白河院庁下文】は大学のテキストか歴史書で目にしているかもしれない。清盛は院司の一人<参議右衛門督平朝臣>として連署・花押をしている。
 【中右記】【山槐記】など当時を伝える実史料も自分にとっては意義のある展示だった。


●第二章 清盛をめぐる人々
 第二章は清盛所縁の人々に関する展示が中心だった。
 【鳥羽法皇・美福門院・八条院像】【待賢門院像】などは歴史書で見た記憶がある。
 在学中の古文書学の成績は惨憺たるものだったが中世の古文書は好きなので、【後白河法皇参詣時祈念祝詞】(厳島神社所蔵)や【藤原忠道消息】(重文)、【平宗盛消息】(重文)などは自分にとっては嬉しい展示だった。特に<安元三(1177)年6月5日>という日付が特定できる【伊都岐島水精寺勤行日記注進状案】は800年の歳月を経て歴史を伝える史料として強く心に刻まれた。


●第三章 平氏の守り神-厳島神社
 いよいよ本特別展の目玉、【平家納経】(国宝)と感激と対面、感動と興奮で胸が一杯になった。日本美術の粋と呼ぶに相応しい、豪華で、華麗で、雅びな名品、この作品も一部を以前に見ているが、後世の琳派芸術等に触れた今日ではまた格別に感じるものがある。もちろ本日特に心に残った展示で、何度も念入りに見入った。
 【金銀荘雲龍文銅製経箱(平家納経納置)】(国宝)や【松喰鶴文蒔絵小唐櫃(伝安徳天皇調度納)】にも注目させられた。
 【伝源為朝所用 小桜韋黄返威鎧】(国宝)を見た時、先の≪法然・親鸞≫の展覧会で熊谷直実関係の史料を見た時と同様、為朝は物語上の架空の人物ではなく実在し歴史に名を残した人物であることを実感した。
 会場の一部には厳島神社の模型も設置され関連ミニ番組をリレー放映、遥かなる昔に現地を訪れた時の記憶が懐かしく甦ると共に、【平家納経】の美にこめられた一途な思いも感じられた。


●第四章 平氏の時代と新たな文化
●第五章 平家物語の世界
 第三章の後半以降はどこまでの展示がどの章に属するのか明確に記録しなかった。
【権中納言平清盛家政所下文(御判物帖)】(重文)や【後白河院并建春門院神宝物奉納日記】【官幣并神宝物等奉納日記】などの古文書は先のコーナーと同様に興味深く見た。
 厳島神社に奉納された舞等で使用されたであろう伎楽面や楽器には、古の日本の演劇を垣間見る思いがした。江戸より前の時代に制作された【平家琵琶 銘 千鳥】き京都市文化財に指定されている。
 装飾経の他に仏像・仏画も展示、【閻魔天像】(国宝)の水牛に坐した閻魔は観音のように優しい表情だった
 ゆかりの遺跡からの出土品の中の白磁の壺や碗、さらには当時の船の模型などから、平氏が行った日宋貿易を生で感じる思いがした。 
 展示のフィナーレは≪平家物語≫を描いた絵巻や屏風、合戦シーンを描いた作品から中高生時代の古文の授業が思い出された。全編完璧に読んだわけではないが、≪平家物語≫も好きな古典だった。


 本特別展は若き日に夢中で追求していた時代の展覧会で、とても懐かしく思うと共に、今回も新たな発見がたくさんあり、有意義な内容だった。
 【平家納経】の素晴らしさはとても言葉では表現できず、いつか全幅を公開する展覧会が実現してほしいと心底感じた。


 会場を出ると、ミュージアムショップの側で関連ミニ番組が放映されていた。
 【平家納経】の絵葉書その他を記念に購入し、昼食をとった後、常設展コーナーの企画展を見学に向かった。
by nene_rui-morana | 2012-02-04 20:20 | 展覧会・美術展(日本編) | Trackback | Comments(0)