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趣味の史跡巡り、美術展鑑賞などで得た感激・思い出を形にして残すために、本ブログを立ち上げました。心に残る過去の旅行記や美術展見学記なども、逐次アップしていきたいと思います。
by nene_rui-morana
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絵で楽しむ忠臣蔵
 正月2日、江戸博5階の企画展示室は二つのコーナーに分けられ、先記の龍の企画展と表記展覧会とが開催されていた。
 暮れに平木浮世絵美術館で見た同内容の展覧会が大変良かったので、国貞作品を多数所蔵する本館の展示も楽しみにしていた。

●第一章 物語に魅せられて
 第一章はもっとも展示のボリュームがあり、≪仮名手本忠臣蔵≫に江戸の庶民がどれほど熱狂したのかがうかがえた。
 まず目に入ったのは、壁面に展示された落合芳幾の【仮名手本忠臣蔵】、大序から大尾まで全13枚の力作である。
 振り向くと展示ケースの中には我が歌川国貞の作品、相変わらず役者の個性や衣装の表現に関しては自分の拙い文章力ではとても伝えられない。特に【瀬川菊之丞のニ役早替り おかる勘平 中村芝翫の一文字屋才兵衛】は素晴らしいと思った。
 並んで展示されている歌川国芳画は四人の人物が描かれていた。
 その後も次々と国貞作品が目に入り大感激、国貞は間違いなく忠臣蔵の代表絵師といえるだろう。【忠臣蔵夜討の図】には手前の人物が持つ太鼓に「命依義軽」と書かれている。このような細かい表現も心憎い。
 【義士両国橋退去図】は、壮大な構図から一目で歌川貞秀作と分かる。本日、国貞・貞秀師弟の競作を見られたのも大変嬉しかった。

●第二章 ヒーローたちに憧れて
 表記タイトルなら主役が国芳作品であることに意義をはさむ余地はないだろう。中央ケースに展示されているのは【誠忠義士伝】、動きのある構図に魅せられる。【誠忠義臣名々鏡】のコマ絵は国芳の長女と次女が描いたと言われている。北斎の娘・応為と同様、偉大な父の血はしっかりと娘にも受け継がれたのである。
 このコーナーでは、同タイトルの【誠忠義士伝】を国貞・国芳の兄弟弟子の競演で見比べて楽しんだ。壁には弘化~嘉永年間に描かれた国芳作品、手前のケースには国貞晩年の作品、一部タイトルが異なっていた。
 国貞・国芳ともに、最近の自分にとっては極めて重要な絵師、その意味ではこのコーナーはまさに夢の競演で、感激もひとしおだった。


●第三章 パロディを玩味して
 最終章のタイトルも私好み、残念ながら先日の展覧会でノックアウトされた歌川広重の【見立滑稽忠臣蔵】は出展されていなかったが、興味をそそられる作品が数多くあった。
 【後姿忠臣蔵絵巻】はタイトルのとおり、登場人物は後姿であったり、袖などで顔を覆っている。
 【東都高輪泉岳寺開帳群衆之図】は、駕籠の猪人形や、水引暖簾の雁木模様などに、細やかな遊び心が感じられる。
 【忠臣蔵見立人形】は素材を忠臣蔵に見立てた<寄せ絵>(異り絵、変わり絵ともよばれる)、謎解きとしてもとても楽しい。
 他の展覧会でも見かけた八世市川団十郎の死絵が此処でも出展されていた(バージョンは別)。
 大トリを飾るのは、豊洲でも展示されていた国貞の【絵兄弟忠臣蔵】、この作品は国貞の代表作だそうで、再び見られて大変嬉しかった。四段目は前垂れの裾に<佐乃喜>と書かれているが、これは版元・佐野屋喜兵衛をもじったもの、このような国貞の趣向がたまらない。今回でさらに、国貞が大好きになってしまった。


 暮れの平木浮世絵美術館に続き、浮世絵にとっては重要なテーマである忠臣蔵の展覧会を江戸博でも見ることができて、触発されたことも多く、自分にとっては未来につながる貴重な経験となった。国貞や国芳ら御贔屓絵師の作品を堪能し、新たな魅力を発見し、探究心を掻き立てられた。今後も同様な展覧会が開催されたら、ぜひ足を運びたい。
 本企画展は12月から始まり、前後期で展示が変わったことを会場で知る。事前に分かっていれば前期も足を運んだのに、残念だった。

 当日は正月の臨時開館日ということで、常設展示室は観覧料無料、館内では≪えどはくでお正月!2012≫と題して様々な企画が催されていた。
 自分の滞在時にすべてが行われてはいなかったが、えどはく寄席、邦楽演奏、クロスワードパズル、絵はがきプレゼント、企画関連ワークショップでの「組上絵であそんでみよう」、等等、楽しそうな内容が目白押しだった。また江戸町人や鹿鳴館風のコスチューム姿の人が展示室内を歩いて来館者の記念撮影に応じていた。
 当日私は予想外に当館の滞在時間が長引き、この後に考えていた上野に行かれず国立博物館の正月イベントが体験できなくなったため、「今日はあちらに行けばよかったかな。」と少々後悔もしたが、宝船の絵をいただいたり本日ならではの催しを体験できたので、やはり来てよかったと思った。
by nene_rui-morana | 2012-02-08 14:40 | 展覧会・美術展(日本編) | Trackback | Comments(1)
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Commented by desire_san at 2012-02-08 23:06
こんばんは。
「歌川国芳展」に行ってきましたので、私とは違った視点に興味深く読ませていただきました。
私も「歌川国芳」の芸術について私なりにレブューを書いてみました。ぜひ読んでみてください。

どんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると嬉しいです。
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