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     [見学日] 平成27年3月17日(金)     [会 場] 刀剣博物館



 日本を代表する日本刀の殿堂・刀剣博物館、名前はもちろん知っていたが、足を運ぶ機会はなかった。

 周知のように同館は、今年3月で渋谷区代々木での活動を終了し、来年1月に東京スカイツリーの御膝元、江戸東京博物館に程近い墨田区内の旧両国公会堂跡地にリニューアルオープンする。

 「代々木感謝祭」と銘打った現地最後の展覧会が、正月明けから3月末日まで開催された。日本刀の知識・関心は十人並み以下だが、至宝の数々が一挙に公開されるということで、代々木での鑑賞はこれが最初で最後となるので、記念に足を運ぶことにした。

 実はそれに先立ち、静嘉堂文庫美術館の日本刀展覧会も見に行ったのだが、居並ぶ名刀に圧倒されつつも、今の自分には展示解説だけでは見どころは分からない、もっと勉強しなければという現実を痛感した。日本刀を出展した美術展を特集したテレビ番組を見たり、偶然にも3月上旬に日本刀鑑賞の見どころを紹介する講座を受講する機会も得たので、その後に会期終了直前の表記展覧会に赴いた。

 この界隈を訪れるのは初めて、昼食は眼に入ったカレーショップでとった。館の立つ場所は交通量の多い甲州街道から少し入った閑静な高級住宅街の一角、2階に上がって料金を払い、見学を開始する。あまり広くはない展示室にずらりと並んだ刀剣や拵に心は踊った。

 展示室はあまり広くはないが、居並ぶ名宝の数々はさすがに圧巻、今回は当館が所蔵する国宝3点が公開されていた。室内はかなり多くの人が名宝に見入っていて、外国人の姿も見られた。

作品後の名は寄贈者・収集者です。



 多少の指南は受けたとはいえ、まだまだ日本刀の真髄を理解できる域には達していない。それでもやはり、良いものは良いと感じる。視線や角度を変え、作品に光をあてながら鑑賞した。

【刀 銘 村正】(高松宮宣仁親王、室町時代後期)は、さすがに風格が感じられた。

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【太刀 銘 真則】(尾津喜之助、鎌倉時代初期)は、ユニークなデザインに注目した。

【太刀 銘 国行(来)】(藤原乙安、鎌倉時代中期)は国宝のオーラがあふれる気品ある逸品、羽文の美しさや印象的な樋中三鈷杵付剣の浮彫などは圧巻、華麗な装飾は初心者も魅了する。

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 同様に、【太刀 無銘 福岡一文字】(ウォルター・コンプトン)も比較的はっきりした華麗な刃文が初心者の眼をひく。

【太刀 銘 国安】(篠原三千郎、鎌倉時代初期、重要美術品)にも注目した。じっくり見ると羽文が印象的、上部にラインが2本入っている。これが何なのか聞きたかったが、あいにく学芸員が不在、リニューアル後にお預けとなった。

【太刀 銘 兼永】(木村篤太郎、平安時代後期、重文)は、プヨプヨした柄に触れてみたくなる。鮫皮といわれているが、実際はエイの皮らしい。



 刀と同様に、刀装具などの展示も素晴らしかった。

 【堅木造四霊文腰刀拵】(藤沢乙安)や【変り塗鞘小さ刀拵】(尾津喜之助)は、江戸の職人芸の集大成と呼ぶに相応しい逸品である。



今回は写真撮影も許されていた。自分もスマホで何枚か撮ったが、全体的にピンぼけしてしまい、貴重な機会を生かせなかった。

同じフロアーには、小さいがショップも併設されていた。傍らのソファーで足休めをしながら、テーブル上の寄せ書き帖に目を通すと、日本全国はもちろん、外国からも見学者が訪れていることが分かった。「両国に移転した後も必ず行きます。」との書き込みも何件もあった。

 先述のとおり、まだ刀剣類の魅力を充分に堪能はできないが、本展覧会を鑑賞できた意義は大きいと感じる。当館の代々木での鑑賞は今回が最初で最後となってしまったが、両国に移転後は近くの江戸東京博物館やすみだ北斎美術館、たばこと塩の博物館とあわせて、ハシゴすることになるだろう。今後は鑑賞とあわせて刀剣類の勉強を進めていきたい。



 館を出た後、バスで渋谷方面へと向かった。頻繁に訪れている渋谷とこんなに近かったのかと、驚きと少々の後悔を感じた。

 


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# by nene_rui-morana | 2017-12-11 21:35 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

晩秋の上野2017

 上野の展覧会に行った際に見た、色づいた銀杏や桜、職場の近所は商業施設やマンションばかりで今年は季節の移ろいを体感する機会もなかったため、久々に心癒される思いがしました。
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# by nene_rui-morana | 2017-11-24 23:51 | 季節の風物詩 | Comments(0)

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[見学日] 平成29年2月17日(金) [会 場] 静嘉堂文庫美術館


 これまで見学した展覧会で数多くの日本刀を見てきたが、正直知識は皆無に等しく、鑑賞ポイントもほとんど分からない。よって、これまでに日本刀に特化した展覧会に足を運んだことはなかった。

 しかし、表記展覧会は名刀が勢揃いするということで、テレビでも関連番組が放映されたので、足を運ぶことにした。



 展示室に入ると、居並ぶ名刀の数々は圧巻、今回は国宝や重文も出展されている。刀剣の他に、押形や拵も展示されていた。

 【古備前行光太刀】(重文)はいわゆる「生ぶの刀」である。

 【堀川国広刀】は雨龍と三鈷柄剣の彫刻に注目した。

 その次に展示されていた【初代和泉守国貞刀】は当日のメモに「師匠 堀川国広」と書かれているが、消したような痕跡がある。後日ネットで調べて一門のようだが、刀匠の派閥のことは今の自分には未だよく分からない。

 【三池光世刀】は朱銘が入っている。

 【一文字守利太刀】の銘は「守利(金象嵌)本多平八郎忠為所持之」とある。この人物は徳川四天王の一人・本多忠勝の嫡子で、千姫の二度目の夫だった。

 本展覧会の展示作品の持ち主は、安土桃山から江戸時代にかけての武将が多かったようである。


 展示は刀装小道具・鐔へと移る。現在の自分には拵や鍔の方が親しみがわく。

 【宇治川先陣図三所者】(後藤方乗)や【屋島合戦図三所者】(後藤悦乗)などは、小さいけれど精緻な造形ら驚嘆した。同じく後藤作で展示されていた目貫や小柄にも注目した。

 今回初めてその名を知った≪鎺≫(はばき、刀身の手元の部分に嵌める金具)のデザインにも関心を持った。



 名刀の数々は大変見応えがあった。事前に見たテレビを思い出しながら、各作品の刃文など見どころを比べながら鑑賞した。会場では「鑑賞の手引き」もいただいた。

 しかし初心者には、解説パネルや簡単なパンフレットでは日本刀の真髄は理解できないと痛感した。

 本日は素人目に見てもいいと感じる作品のオーラを体感し、少し勉強したらあらためて展覧会に足を運ぶことにして、途中より感想のメモをとるのを止めた。

 【平治物語絵巻 信西巻】(重文)が見られたのはとても嬉しかった。

 窓外には、早咲きの梅が美しく咲き誇っていた。


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# by nene_rui-morana | 2017-11-23 22:11 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

[副 題] 東京藝術大学創立130年記念特別展

[見学日] 2017年11月17日(金)

[会 場] 東京藝術大学大学美術館

 

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表記展覧会はテレビの関連番組で知った。多忙な時期だったが、近年急激に傾倒している帝室技芸員の作品も出展されるというので、ぜひ見ておきたいと思った。

 当日は近くの東博平成館で≪運慶展≫を見た後、途中の珈琲店で小休憩をとり、会場へと向かった。

 東京藝術大学大学美術館で開催された過去の展覧会からは、いずれも並々ならぬ感動を受けている。本日はかなり混雑していて、やっとロッカーを確保した。


 → 続きは後日


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# by nene_rui-morana | 2017-11-19 15:31 | 記事作成中(近日中アップ予定) | Comments(0)

運慶 後期

[副 題] 興福寺中金堂再建記念特別展

[見学日] 2017年11月17日(金)

[会 場] 東京国立博物館・平成館

 

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 知人と見に行った表記展覧会の前期は大変素晴らしかった。わずかだが展示替えがあり、後期には【重源
上人坐像】が出展されるとあっては、行かずにすむわけはない。

 しかし、10月末にひいた風邪がなかなか抜けず多くの展覧会のキャンセルを余儀なくされ、気が付けば会期も終了間近、必死で調整して何とか時間を確保、当日は午前中は仕事をして職場から会場へ向かった。

 今回は京成電鉄を利用、上野駅から道中のビル内の階段を上がり外に出る。通常は四季の移ろいを感じる機会の少ない身には、上野の山の色づいた銀杏には心癒される思いがした。目の前には長蛇の列、『怖い絵』展待ちは90分待ちとのことだった。

 不安を覚えながら東京国立博物館へ向かうと、こちらも50分待ちとのこと、絶句したが引き返すわけにはいかず、覚悟を決めて列に並び、『新撰組顚末記 永倉新八』を読みながら時間をつぶした。幸い天気は良く、若冲や鳥獣人物戯画を経験している身にはさほど長くはなかったが、病み上がりでそこそこ重い仕事の書類を持った身にはさすがに応え、ようやく入場できた時はかなり腰も痛んだ。

 幸いコインロッカーは空きがあった。

→ 続きは後日


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# by nene_rui-morana | 2017-11-18 16:26 | 記事作成中(近日中アップ予定) | Comments(0)

[会 期] 2017年9月30日(土)~10月29日(日)


[会 場] 永青文庫



 長谷川等伯には近年とみに魅せられ、展覧会でその作品に触れる度に傾倒している。

 数か月前に東京国立博物館・平成館で開催された特別展『禅』に出展されていた【禅宗祖師図】には非常に強いインパクトを受けた。

 この時の記憶も冷めやらぬ時、京都の南禅寺天授庵が所蔵するこの作品が都内で再び公開されると知った時の感動は並々ではなく、必ず足を運ぼうと思った。

 しかし、10月下旬の大きな仕事が終わった後、予定していた日は台風が来るなどして外出が難しく、ようやく秋らしい天気となったら風邪をひき、気がついた時は会期が終了していた。

 旅行が困難な現在、都内で開催される展覧会で遠方から出向いた?美術工芸品を見るのは自分に許された数少ない楽しみ、芸術の秋は最も好きな季節だが今年は残念なことが続いている。

 会期終了が迫っている展覧会が他にもある。早く体調を整えて、一つでも多く鑑賞したい。

 


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# by nene_rui-morana | 2017-11-12 20:21 | 幻の展覧会 | Comments(0)

広重ビビット

[会期] 2016年4月29日(金・祝)~6月12日(日)


[会場] サントリー美術館



 歌川広重の情趣あふれる風景画は自分が愛してやまない芸術作品、原安三郎氏のコレクションが一堂に介する表記展覧会は、何としても見たい企画だった。



第1章 初公開 歌川広重<六十余州名所図会>

表題のとおり、広重のこのシリーズは個別には見たものもあると思うが、全点の一斉公開は今回が初めて、まだ一般的にはあまり知られていないと思うが、広重の代表的名作であることは間違いない。色の美しさ、特に赤と青の表現が心に残る。広重自身は訪れていない地も含めて日本全国を広範囲に網羅したシリーズで、非常に見応えがあった。私自身が行ったことのある地を描いた作品には、懐かしい記憶を思い起こしながら見入った。



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# by nene_rui-morana | 2017-11-03 23:08 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

★英駐屯軍士官スミス中尉の幕末の手紙

 展示は壁面から室内中央のケースへと移る。

 まず目に入ったのは、第4章に登場したスミス中尉と家族との間に交わされた手紙、一軍人の眼に映った幕末の日本の姿にもまた興味をそそられる。



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# by nene_rui-morana | 2017-11-03 12:52 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

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[見学日] 2017年10月10日(火)


[会 場] 横浜開港資料館



 新聞で知った表記展覧会、内容に関心をそそられ、好きな横浜開港資料館にも久々に行きたい気分になったので、多忙な時期ではあったが出向くことにした。

 せっかく横浜まで行くので他も少し廻りたいと思い、先述のとおり、外国人墓地など山手地区を散策した後、地下鉄経由で会場へと向かった。

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 まずは以前にも利用した併設するカフェで軽くお茶をする。食したのは「エンサイマダ」というスベインの甘いパン、鑑賞のエネルギー源にはバッチリだった。

 腹ごしらえをして、資料館内へと入る。幸運にも本日は無料で見学できる日だった。


 当館は1階と2階の常設スペースも大変魅力的なのだが、時間が限られているため、ざっと見て企画展示室に向かった。



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# by nene_rui-morana | 2017-10-28 21:55 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

横浜・山手散策

 多忙な中の貴重な秋晴れの10月10日、休日出勤の代休を利用して、久々に横浜に出向くことにした。

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 午前10時過ぎに家を出て、私鉄とJRを乗り継いで石川町で下車、スタートはイタリア山庭園の【外交官の家】の予定だった。しかし持ち前の方向音痴の本領発揮?で、目的地に行きつけない。早めの昼食をとった店で聞いたら、かなり離れてしまっていることが分かった。

店を出て急な坂道を息を切らしながら上がって進むと、フェリス女学院大学前に到着、案内地図で道は分かったが、ここからイタリア山庭園まで戻るとかなりの時間ロスになるので次回に持ち越すこととして、山下公園方面へと向かった。



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# by nene_rui-morana | 2017-10-23 15:46 | 近郊散策 | Comments(0)

 近年、ボストン美術館の名品の来日が相次ぎ、大きくの日本人を魅了している。名品揃いの同館の浮世絵コレクションのお里帰りも実現した。
 これらに多大に尽力された小林忠先生が長く館長を勤められた千葉市美術館で表記展覧会が開催された。小林先生が近世日本絵画を先行されるきっかけとなり、自分自身も近年傾倒している鈴木春信の在外作品は、何としても見たかった。
先述の状況で非常に難しくなったが、最終日の本日は台風がぬけて午後には天候が回復するので、休日出勤の代休もとれたので行くつもりでいた。
 しかし、昨今の疲労のためか低気圧のせいが、朝方から得体のしれない眩暈が続いている。屋外は晴れているが激しい風がついている。交通機関も乱れが続いている。
 これらにより、既述のすみだ北斎美術館の企画展とあわせて、断腸の思いで見学を断念した。

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# by nene_rui-morana | 2017-10-23 12:39 | 幻の展覧会 | Comments(0)

 「すみだ北斎美術館」には昨年のオープンの日に訪れ、2度目に訪問した時に年間パスポートを購入した。
 葛飾北斎と彼が生活拠点として墨田という町には最近とみに関心を寄せているので、すみだ北斎美術館で開催される企画展には全て足を運ぶつもりで、これまではそれを果たしてきた。
 表記展覧会も、前期は早々に見学した。会期が1カ月半と短いが、後期にもう一度行くつもりでした。
 しかし、職場で同僚の休職や長期研修による欠員状態が続き、なかなか時間がとれず、みるみる会期終了日が近づく。
 最後の週は自身が担当する大きな仕事の準備と当日の従事のため、休日も返上しなければならない状態だった。会期最終日の本日22日の日曜日に最後の希望を託していた。一週間ほど前の天気予報で台風発生の情報を得たが、さほど気にしていなかった。
 しかし、最悪のタイミングで恨めしい台風が接近、本日は朝からかなり雨足が強い状態が一日続いた。タクシーを奮発しようかとも思ったが、以前帰宅時に台風の直撃を受けた時の記憶が脳裏をよぎる。
 往路はともかく、帰宅の時にタクシーや公共機関を利用できる保証はなく、風速が強まると高層建築の近くでは身の危険を感じる。
 文字通り断腸の思いで、本日は投票以外の外出を見合わせた。

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# by nene_rui-morana | 2017-10-22 21:33 | 幻の展覧会 | Comments(1)

[見学日] 2016年5月28日(土)


[会 場] Bunkamura ザ・ミュージアム



 前回、見学を終えて会場をあとにする時は名残り惜しくてならなかった。

本展覧会には展示替えはなかったので、表記は正しくはない。内容からして自分が足を運ぶのが一度で済むわけはない。長期間が経過しすっかり忘れていたが、当日は静嘉堂文庫美術館の展覧会『よみがえる仏の美』を見た後に会場に向かったことを、本稿を記すにあたって確認した。

今回も、国貞作品はタイトルの後にSを、国芳作品はYを付記します。



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# by nene_rui-morana | 2017-10-15 18:44 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

★二幕目の三 楽屋裏素顔夢想(オフステージ)

 本稿で何度か記してきたように、自分が歌川国貞という浮世絵師に魅せられるようになった最初のきっかけは、江戸東京博物館の展覧会で多くの人々を生き生きと描いた中村座の楽屋絵に出会ったことだった。その自分にとっては、本章はまさに夢のコーナーだった。

 【ふき屋町市村座大入りあたり振舞楽屋之図】【大坂道頓堀芝居楽屋之図】いずれにも、私の心を鷲掴みにしたあの作品と共通するオーラがあふれ、興奮で胸が高鳴った。先のコーナーで大型パネルが展示されていた【踊形容楽屋之図 踊形容開入之図】は色鮮やかな逸品、描かれたのは安政期、時代は不安定だが豊国を襲名した国貞は浮世絵界の第一人者として君臨していた。

 歌麿画を彷彿とさせる【楽屋錦絵二編 十枚之内】は、四人の役者をクローズアップして描いている。





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# by nene_rui-morana | 2017-10-04 16:44 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

[見学日] 2016年4月22日(金)


[会 場] Bunkamura ザ・ミュージアム


タイトルを見れば、自分が前後期とも本展覧会に足を運ばないことはありえない。某所でチラシを入手して以来、開催が待ち遠しくてならななかった。

受けた感動は並々ならぬものがあったが、その後自身に未曽有に近い災厄が降りかかった。責任は全て自分にあるのでいた仕方ないが、数年がかりでの復帰に取り組むことを余儀なくされた。そんなこともあり、アップがすっかり遅れてしまった。

作品後のローマ字は、Sは国貞作、Yは国芳作を表します。



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# by nene_rui-morana | 2017-10-02 18:34 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

 日野原氏のスライドトークをはさんで、この日も貴重な国貞作品鑑賞の機会を満喫した。

 国貞は、人物の個性等の他に、季節も描き分けていることが、居並ぶ作品から伝わってきた。


 大好きな【江戸名所百人美女】シリーズをじっくり鑑賞、本日も「よし町」が一層輝いて見えた。

【今様三十二相】シリーズの「気まヘかよさ相」は、他所で見て以来、大変気に入っている作品である。コマ絵の祝儀袋もキマっている。

本日も【時世江戸鹿子 隅田川木母寺】にはじっくり見入った。


 2Fへと上がり、ケースに入った【江戸名所百人美女】をじっくりと鑑賞した。「第六天神」「新大はし」の衣装の表現が素晴らしいと感じた。

 【風りう花暦 撫子】は描かれている玩具に注目した。

【時世百化鳥 風車にみゝづく】はタイトルのとおり、胴体部分に「壽」の字が書かれ目をパッチリ開いたコマ絵のみみづくがユニークである。画中の達磨(後ろ向きで鏡台に写る)、猫の玩具、引き出しに入る「美艶仙女香」、国貞は細部まで手を抜かない。

 【浮世人精天眼鏡 針仕事】は山東京山が詞書を書いている。

 【江戸八景 吉原ノ夜雨】、屋外に降りしきる雨が伝わってくる。

 【十二月の内 衣更着 梅見】、現在の東京スカイツリーに程近いあたりから国貞が活動していた柳島・亀戸にかけては梅林がひろがっており、満開の時期は文字通り花のパラダイスだったであろうことが想像できる。


展示作品を見て、制作年代もおおよそ見当がつくようになったように思う。後の時代のものほど、カラフルになっている。絵の具の質が良くなったのかもしれず、あるいは国貞(既に豊国襲名)の名声が確立して高級な絵の具が使用できるようになったのかもしれない。

 何度も繰り返し見た後、次の目的地、大規模な展覧会が開催されている渋谷へと向かった。


国貞が残した作品は膨大だが、歌麿や北斎に比べると国貞に特化した図録は少ない。その意味では、当館監修の『没後150年記念 歌川国貞』『歌川国貞 これぞ江戸の粋』が刊行されたのは、自分にとっては非常に嬉しい。これらをじっくり読み込みながら、国貞への注目がより高まり、再度開催される展覧会の鑑賞へとつながることを切望してやまない。


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# by nene_rui-morana | 2017-10-02 17:45 | Comments(0)

表記展覧会は期間が短く展示替えもないため、当初は再度足を運ぶ予定はなかった、しかし、大好きな国貞の展覧会でもあり、近くのミュージアムで開催される国貞・国芳の展覧会に足を運ぶことにもなったので、2016年4月22日に先ず太田記念美術館に立ち寄った。

 当日は金曜日、午前中は仕事に出て、午後は休暇をとった。

 会場近くで昼食をとった後、入館し、しばし国貞ワールドを満喫した。


 午後2時より、地階の部屋で学芸員・日野原健司氏によるスライドトークが催された。実は、これが再度当館に赴いた大きな理由の一つだった。

 しかし、超多忙な4月、午前中の勤務、昼食後の午後というシチュエーションは、講座を聴講するには最悪だった。恥ずかしながら、数分後には船をこぎ始め、貴重なお話を半ば夢の中で聴く羽目になった。長期間が経過し、記憶も曖昧になり、正確でない部分もあると思いますが、当日メモした内容を列記します。


●(弟子の歌川国周が描いた死に絵【三代目歌川豊国肖像】を紹介して)当時の国貞は、人気・業績共にトップでした。


●(国貞の画業を紹介して)彼が得意とした役者絵・美人画が、当時の浮世絵の王道でした。


●(弟弟子の国芳と比較して)国貞はお高くとまって真面目、国芳は江戸っ子気質で権威嫌いといった特質があったようです。


●楽器、料理、幼児への慈愛、アウトドア、女性のしぐさや身だしなみ、人物の心の動き、等々、国貞は実に多くを描きました。今回の展示作品には猫などの動物も登場します。


●【松葉屋内 代々山 かけを にしき】は、髪型や衣装に注目してください。花魁と禿の打掛のデザインは烏と白鷺でペアルックです。


●シンプルな装いの町人も描いています。【江戸名所百人美女 薬けんぼり】のモデルの女性は、体を洗う糠袋をくわえています。


●【雪】のモデルはお歯黒をし、黒い御高祖頭巾をかぶり、柄入りの手拭いをマフラーのように巻いています。着物の柄の水鳥は、背景の隅田川を暗示しているようです。


●【当世三十貳相 世事がよさ相】は歯を磨いています。


●【当世美人合 かこゐ】のモデルは、当時人気のコスメ用品でコマ絵にも描かれている「美艶仙女香」で化粧に余念がありません。着物の柄は椎茸の笠の裏側と松葉の組み合わせです。


●【当世三十貳相 あそびた相】のモデルは前髪にリボンを飾っていますが、これは10代前半の若い娘を表しています。立派な装身具から見ると、おそらく大店の娘でしょう。


 上記以外には、【星の霜当世風俗 蚊やき】について解説があったようである。また「梓客=版元」と当日のメモにある。いずれも内容については記憶がない。

 先述のとおり、半ば夢の中での聴講となってしまったが、貴重な指南となった内容もあった。


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# by nene_rui-morana | 2017-09-30 22:38 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

[見学日] 2016年4月10日(日)


[会 場] 太田記念美術館


 会場、テーマ、どこから見ても表記展覧会に自分が行かずにすむはずはない。開催を知ってから、4月になるのが待ち遠しかった。



 例によって見学から長期間が経過してしまったため、正確には記憶していないが、最初のパネルでは、歌川国貞が描いた当時のライフスタイル、ファッション、背景、アイテムなど、作品の見どころを紹介していたように思う。


 【松葉屋内代々山 かけを にしき】から展示はスタートした。

 【江戸自慢 仲の町燈篭】には我が酒井抱一がデザインした団扇が描かれている。両者の年齢差はちょうど親子くらいで活動拠点も遠くはない。少なくとも国貞が抱一の存在を知っていたのは確かだろう。個人的には、師匠の初代歌川豊国がある意味「兄弟弟子」となる抱一に会うために、雨崋庵か吉原に出向き、随行した若き国貞が抱一に対面するといったシチュエーションを想像している。

【時世江戸鹿子 隅田川木母寺】は墨田区内に今も残る「梅若寺」(場所は移転している)を描いたもの、国貞の活動拠点からも遠くない。本作品の季節は夏だが、雪景色が名物だったらしく、冬の木母寺を描いた作品を何点か見た記憶がある。



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# by nene_rui-morana | 2017-09-18 09:54 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

[副題]「ひとまねこざる」からアニメーションまで


[会場] 松屋銀座8階イベントスクエア



 地元の図書館のリサイクルコーナーで、忘れかけていたけれど忘れることのできない思い出につながる絵本を入手した。タイトルは『ひとまねこざる びょういんへいく』、第1版発行は昭和42年、2版は45年となっている。懐かしい思い出が胸をよぎった。

 遥かなる昔、幼稚園時代かそれより少し前、3歳年上の従兄から本書を含めた『ひとまねひざる』(原題 はCurious George )シリーズを何冊か譲り受けた。大変気に入り、何度も読み返し、その従兄の家に行く時に持参して分からない箇所を聞いた記憶もある。両親ともに地元出身で田舎がなく、また兄と姉がいない自分には、夏休みなどに伯母の家に行って従兄に会うのが大きな楽しみだった。

 往年の幸せなひと時を思い出しながら本書を読み返していると、数日後にNHKテレビでジョージの生みの親、ハンス&レイ夫妻の足跡をたどった≪おさるのジョージ誕生秘話 1735キロの大冒険≫が放映、続いて新聞掲載されている表記展覧会の広告を発見、何かの縁を感じて、足を運ぶことにした。

 8月18日の金曜日、会期終了が迫ったすみだ北斎美術館の≪北斎×冨士≫を見学した後(記事はいつかアップします、冷汗)、地下鉄で銀座へと向かった。

 会場の8階は、親子連れなどでかなり混雑していた。


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# by nene_rui-morana | 2017-09-17 18:08 | 展覧会・美術展(西洋編) | Comments(0)

鑑賞した展覧会2017

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# by nene_rui-morana | 2017-08-26 20:50 | 記事作成中(近日中アップ予定) | Comments(0)

春画展 第1期

[副 題] 世界が、先に驚いた。


[会 期] 2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)


[会 場] 永青文庫



 2013年から14年に大英博物館で開催された『春画展』が大きな反響を呼んだことを、美術関係雑誌で知った。その後に参加した2014年度の浮世絵学会で、国内でも開催の運びとなりつつあるとの情報を得る。

春画の芸術的価値は近年高まりつつある。最近の展覧会でも河鍋暁斎などが描いた春画が出展されていた。

 注目を浴びていた展覧会であることと、次回いつ実現するか分からないという理由により、足を運ぶことにした。都内での春画展見学は東洋文庫に次いで二度目となる。

 会場の永青文庫は、道中が坂なのに加えて4階建てなので、高齢者やハンディのある方には少々難儀かもしれない。チケット買いの行列も会場内も、かなり混雑し、係員に抗議する高齢男性の姿も見られた。



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# by nene_rui-morana | 2017-07-30 22:11 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

平尾昌晃さん ご逝去

 往年はロカビリー歌手として一世を風靡し、後には歌謡史を代表する名曲を多数作曲した平尾昌晃さんが、亡くなられました。享年79歳。


 自分が平尾氏の名を知ったのは「カナダからの手紙」がヒットした時でした。もちろん、その前から「よこはま たそがれ」「瀬戸の花嫁」などは知っていましたが、これらを作曲されたのが平尾氏だということ、かつてはロカビリー歌手だったことなどを知ったのは、それより少ししてからでした。


 ヒット曲は数知れませんが、個人的に最も心に残っているのは、10代の時に好きで見ていた藤田まこと氏主演の一連の「必殺シリーズ」の主題歌です。

中学生の時は土曜日の帰宅後に、(母がパートに出ていたので)妹と家事をしながら「土曜アンコール劇場」「ハリウッド映画大集合」とあわせて再放送を見るのが楽しみでした。高校時代は金曜日の夜に放映されていたと思います。当時の我が家にはビデオはなかったので、その時に見ないと次回のあてはない、文字通り「一期一会」の気持ちで時間をやりくりしました。

 「茜雲」「哀愁」「さざなみ」、一般の歌謡曲やアニメの主題歌に比べれば、これら必殺シリーズの主題歌は影が薄いかもしれませんが、自分にとってはかなり過酷だった若き日々の支えとなりました。当然ながらステレオもなかったので、テレビにラジカセを近づけてカセットテープに録音し、音が途中何箇所も切れるまで聞き続けました。

 ようやくプレーヤーを買ってから、まだCDの復刻もネットオークションもなかった時代、図書館で都内の中古レコードショップの案内をコピーして探し続けました。ようやく見つけた時の感激、しかし当時の自分が買うには余りにも高く、後ろ髪ひかれる思いで店をあとにしました。

 長い年月が流れ、CDを手にしたその日は、深夜まで繰り返し聴き続けました。それからしばらくして、全編が収録されたDVDも販売されました。


 父が若い頃に足を運んでいた喫茶店で、ブレイクする少し前の平尾氏が歌っておられて、テーブルで会話を交わしたこともあると話していました。出演されたテレビを見る度に「あの頃は気安く話していたけど、本当に有名になったな。」と言っていました。

 良く知られているように、結核で歌手生活の中断を余儀なくされたことが、平尾氏の人生の転機となりました。これがなければ、現代を代表する幾多の名曲は、あるいは誕生しなかったかもしれません。

 昭和の、自身の若き日の、父と過ごした日々の思い出につながる方が、また一人旅立たれ、自分の中でまた一つ幕が下りました。

 平尾氏の訃報に接した後、何度もコンビを組んだ山口洋子さんの時と同様、代表的な歌が次々と、自分の中を走馬灯のように駆け巡りました。


 つつしんで、ご冥福をお祈りします。


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# by nene_rui-morana | 2017-07-26 22:46 | Comments(0)

画鬼・暁斎 後期 

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         [副 題] 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル

        [見学日] 2015年9月4日(金)


        [会 場] 三菱一号館美術館



前後期で展示替えがあり表記展覧会、告知された時点で迷うことなく2度足を運ぶことを決心した。

 前回感銘を受けた作品、新たな展示、夢の暁斎ワールドを夢中で満喫した。



Ⅰ.暁斎とコンドルの出会い-第二回内国勧業博覧会-

 スタートの【東京名所之内 上野山内一覧之図】は、前期とタイトルも所蔵も同じだが別物らしい。

 コンドルの【上野博物館遠景之図】(東京国立博物館所蔵)は後期のみの出展、暁斎に師事する前か直後の頃の作品だと思うが、水彩画の優れた才能が遺憾なく発揮されている。



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# by nene_rui-morana | 2017-07-18 21:49 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(2)

画鬼・暁斎 前期 ②

Ⅴ.暁斎の画業

 天災絵師・河鍋暁斎の真髄が存分に味わえるファンにとっては涙もののコーナーである。自分が暁斎に魅せられるきっかけとなったのは諷刺画だが、本章にはそれ以外にも正統派?の肉筆画なども多数展示されていた。画題も作風もバラエティーに富んでおり、非常に見応えがあった。


1. 英国人が愛した暁斎作品

 本コーナーの展示は、アメリカの実業家チャールズ・S・スミスの旧コレクション、約100年ほど前に氏が亡くなり、メトロポリタン美術館に寄贈された。動物を描いた作品が多かった。

 思わず口元がほころぶ【牛と牧童図】【金魚と遊ぶ小童図】、後の作品の後方には主役?の小童が捕えたものか、亀が紐で岩にくくられている。

 ユーモラスな表情の【木菟図】、精悍な【小禽を捕える鷲図】など、入念な描写の作品に食い入るように見入った。ケースに入った各画の傍に、下絵も展示されていた。


2. 道釈人物図

 本コーナーには、鍾道や観音・鬼など、展覧会でもよく見かけるモティーフが描かれた作品が展示されていた。

 【毘沙門天図】は彩色鮮やか、描写も入念、18歳の時の作品と聞いて驚き脱帽した。

 対して【布袋の蝉採り図】は軽妙なタッチのモノクロ作品、こちらにも暁斎の真髄が感じられる。布袋様は童子のように可愛らしい。

多くの童子が描かれた【郭子儀図】も微笑ましい作品だった。

 

 下の階へと移動する。


3. 幽霊・妖怪図

 暁斎が描く怪物は、あるものは解剖学的に正確であり、あるものはユーモラスにデフォルメされている。後者は今日でも漫画のキャラクターや遊園地のアトラクションで通用すると思う。今回も百鬼夜行や鳥獣戯画などを楽しませてもらった。


4. 芸術・演劇

 暁斎が舞台道具の一部としての絵画を描いていたこと、能や狂言を愛し自身も狂言を学んでいたことを、今回初めて知った。

 【子供助六の股くぐり図扇子】には九代目市川団十郎の賛が添えられている。

 【河竹黙阿弥作「漂流奇譚西洋劇」パリス劇場表掛りの場】およびその下絵は、横浜浮世絵を思わせた。


5. 動物図

暁斎が描く動物は、しばしば人間のような表情をしている。同じ作品の中で、人物の顔はラフに描き、動物の方をより入念に仕上げているケースも多い。

生首をくわえる狼を描いた【月に狼図】は、9歳の時に川に流れていた生首を写生したというエピソードを彷彿とさせる作品だった。暁斎が生きた時代はまだニホンオオカミは絶滅していなかったから、実物を見ていた可能性もある。


6. 山水図

 他のジャンルに比べると暁斎の山水画は多くはないが、解説にあるように不得意だったわけではなく、戯作画や動物画が人気だったのでそちらにより多くの時間を費やした結果なのだろう。本章の展示はそれを物語っている。

 【霊山群仙図】は、暁斎が亡くなり未完成となっていた作品を娘・暁翠が仕上げたもの、過去に暁斎父娘の展覧会を見たが、暁翠も素晴らしい絵師だと感じた。葛飾北斎・応為と相通じるものを感じる。


7. 風俗・戯画

 このジャンルも暁斎の魅力が堪能できる。

 【書画展覧余興之図】は、自身も頻繁に参加しただけあり、臨場感が伝わってくる。同内容の作品を他所で見た記憶もある。


8. 春画

 近年、表記の展覧会がロンドンで開催されて大変な反響を呼んだ。これまでの日本では、このジャンルの一般向け書籍が大々的に宣伝されることも展覧会が開催されることも多くはなかったが、風景画や美人画と同等のれっきとしたジャンルで、名だたる絵師は全て手掛けており、佳作も多い。

 この分野の暁斎作品も、彼らしくユーモアにあふれ、非常に楽しい。

 【はなこよみ】は全12枚で、各月の行事や祭礼をテーマに描かれている。展示されていないが、入れられた袋には江戸の名所が記されているという。


9. 美人画

 フィナーレを飾るのは美人画、こちらも浮世絵を踏襲しつつも暁斎らしい画風が投影された秀作揃いだった。

【美人愛猫図】は上品で色鮮やか、本当に美しい。【極楽太夫図】(個人蔵)は以前に見たかもしれない、暁斎の代表作である。



≪感想≫

 自分にとっては大変価値のある、大好きな暁斎の展覧会だったで、受けた感激も並々ではなかったが、記事のアップはすっかり遅れてしまった。そのため、臨場感が薄れてしまった事実は否定できず、感銘を受けた多くの展示作品についても詳しく記すことはできなかった。

 展示作品はどれも素晴らしく、大変嬉しい内容の展覧会だったという事実だけは伝えたい。

 近年評価が高まっている暁斎に更に注目が高まり、今後も在外作品の御里帰り展覧会などが実現することを切望してやまない。


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# by nene_rui-morana | 2017-07-16 22:16 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

画鬼・暁斎 前期 ①

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       [副 題] 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル

       [見学日] 2015年7月24日(金)


       [会 場] 三菱一号館美術館


★プロローグ

学生時代に教わることがなかった河鍋暁斎という絵師を知ることになったきっかけは、偶然地元の図書館で見かけた図録、痛快な風刺画に若かった自分は急激に魅せられた。酒井抱一や歌川国貞よりもファン歴は長い。自分でも何冊か暁斎の画集を購入し、過去に何度か展覧会に足を運んだ。

一方、今回の準主役、ジョサイア・コンドルの名は、鹿鳴館やニコライ堂の設計者ということもあり、比較的早く知ったように思う。

両名が自分の中で結びついたのは、本展覧会にも多数出品している埼玉県蕨市の『河鍋暁斎記念美術館』で暁斎のファンに足を運んだ後だった。現地で見た限定販売の『暁斎絵日記』に大きな感銘を受け、高額で重たかったが購入した。解説の抜き刷りを参考に読み進めてコンドル(日記ではコンテルもしくはコンデエールなどと記載、一部の研究書ではコンダーと書かれている)の姿を発見し、「暁斎はこんな有名な外国人と交流があったのか」と少々驚いた記憶がある。

そのコンドルが設計した三菱一号館で開催される大規模な暁斎展の情報を得た時の感激と興奮は並々ではなかった。

※作品名の後に記入がないものは河鍋暁斎記念美術館所蔵です。



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# by nene_rui-morana | 2017-07-11 21:59 | 展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

御見舞い

 九州北部を襲った豪雨で、甚大な被害がもたらされました。毎年のように繰り返される水害の報道に接する度に、地球の気象異常の深刻化が進んでいることを痛感させられます。

かつて旅行で訪れた地が災害に見舞われ、現地からの映像を見ると、とりわけ心が痛みます。今回も、旅行の醍醐味が分かりかけた頃に訪れた日田市では亡くなられた方が出て、久留米市でも一時避難勧告が出たようです。柳川を訪問した時は雨で市内の堀川の水が道路に溢れ、その先にある観光スポットの見学を断念した記憶がありますが、その後何度も同様の事態が発生したのでしょう。

 東日本大震災も、熊本地震も、完全復興はまだまだという状態にあって、次々と繰り返される天災、あらためて日本は災害の多い国だと思い知らされます。話題がそれますが、だからこそ、戦争などの人災は断固阻止せねばならないとも感じます。

 被災された方々に心から御見舞い申し上げると共に、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。


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# by nene_rui-morana | 2017-07-10 15:32 | Comments(0)

東京二十三区内のツバメ

 半月ほど前、近くのレストランで昼食をとった後、近所のビル1階の駐輪場から出ようとすると、頭上を一羽のツバメが屋外へと飛んで行きました。

 驚きながら「どこに巣が?」と見回すと、出入り口近くの天上の一角に発見、中にはひなが数羽、親鳥がエサを運んで来る度に大きな鳴き声をあげていました。

 都会のツバメが激減したとのニュースに何度も接しているので、こんな身近に新たな巣と命を見出し、けっして大袈裟ではなく感動しました。

 自分が子どもの頃、表通りの商店の軒先にはツバメの巣が何個かあり、春になると付近の電線には必ずツバメが何羽かとまっていました。しかし今は店もなくなり、生活圏内でツバメを見ることはなくなりました。

 記憶に残っている光景は四半世紀前のGWに津和野を訪れた時、多くのツバメが子育ての真っ最中で飛び交っていました。

f0148563_20545642.jpg 今回、巣を作ったのは屋内、オーナーさんの善意で撤収されずにすんでいるようでした。ここなら天敵のカラスにも襲われず子育てできそうだなと思いました。携帯で撮影しましたが、残念ながらブレてしまっていました。

 数日後に再び訪れると、既にほとんどのヒナは巣立ったようで、一羽だけ残っていました。この時もあまりいい写真は撮れませんでした。

 来年以降も再び会えることを楽しみにしたいと思います。


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# by nene_rui-morana | 2017-06-19 21:57 | 季節の風物詩 | Comments(0)

特別展 快慶

[副題] 日本人を魅了した仏のかたち


[会期] 平成29年4月8日(土)~6月4日(日)


[会場] 奈良国立博物館



 鎌倉時代の天才仏師・快慶は、今の自分には最高の御贔屓芸術家、都内や近郊でその作品が公開される時は可能な限り足を運び、その度に陶酔にひたった。

 その快慶の作品が一堂に集結した表記展覧会はまさに理想そのもの、東京国立博物館で入手したチラシには、過去に見たものから未だ作品名も知らないものまで魅力的な彫像写真が掲載され、興奮はピークに達した。ぜひとも、何としても、足を運びたいと思った。

 以前の自分なら、GWに何としても時間をつくり、奈良に足を運んだだろう。しかし、東日本大震災を機に生活は激変し、かつてはかけがえのない趣味だった旅行は現在の自分にはほぼ不可能となっている。

 それでも、限りなくゼロに近い可能性に望みをつないできたが、父が入院して以降に儚く散った多くの夢と同様、今回も叶うことはなかった。

 残念ながら東京への巡回はなさそうだが、未来に希望を託したい。


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# by nene_rui-morana | 2017-06-18 21:32 | 幻の展覧会 | Comments(0)

2-5あそぶ

 自身は全く嗜みはないが、最近の展覧会で香道に関心をそそられているので、【香道具 香札箱・銀葉盤】には注目した。

 ミニチュア好きの自分には、【ままごと道具(茶道具)】のような展示はたまらない。

 【双六「投扇興点式双六応用」】も、ゲームのやり方は分からないが見るだけでも楽しい展示だった。

2-6 いのる

 【縁起熊手】は、浅草寺裏での、おそらく現在も毎年ニュースで取り上げられる鷲神社の酉の市でモースが買ったもの、国貞の浮世絵の記憶と重ねて見た。

 【愛宕大神 御札】【護符など】も、自分には興味深い展示だった。

イラスト[仏教の墓、神道の墓]には、漢字も記入されている。モース自身が書いたのか、それともこの部分だけ身近な日本人に記入してもらったのだろうか。




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# by nene_rui-morana | 2017-06-06 21:27 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)

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      [副 題] 江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 

      [見学日] 2013年9月21日(土) 

      [会 場] 江戸東京博物館

 

 アップは前後してしまったが、表記展覧会は先にまとめた≪よみがえれ!シーボルトの日本博物館≫より先に見ている。長時間が経過したため展覧会を知ったいきさつは覚えていないが、おそらくはチラシかポスターを見て、現在の自分が最も関心をそそられる「19世紀の日本に関わった外国人」がテーマなので、即座に見学を決意したのだと思う。

 ※展示作品の次のローマ字は所蔵先を表します。

   P=ピーボディー・エセックス博物館、U=東京大学総合研究博物館、

   E=江戸東京博物館、M=ボストン博物館




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# by nene_rui-morana | 2017-06-04 15:50 | 旧展覧会・美術展(日本編) | Comments(0)